部下の成果に「よくやった」ではなく「やったのか」と聞き返す
三菱地所の常務だった2012年に参加したリーダー育成研修で、本田宗一郎さんについて深く学ぶ機会がありました。それ以来、私が常に意識している本田さんの哲学が2つあります。
1つは、本田さんが社員に「やったのか」とよく聞いていたというエピソードです。普通の経営者は「リスクを冒してもいいからやってみろ」と言いますが、本田さんはその上をいきます。やるのは当たり前で、「もっとやったのか」と聞くのです。
例えば、エンジンの開発で目標としていた性能に到達した研究者が、本田さんのところへ来て「社長、できましたよ」と言うと、「よくやった」ではなく、「そうか。どこまでやったらダメになるんだ」「壊れるまでやったのか」と聞き返したそうです。問われているのは、限界までやったのかということなのです。
その問いの背後には、仕事の目的に対する目線の高さがあります。数多ある二輪車メーカーとしてホンダを創業し、先進技術によって世界の巨大カーメーカーの1つにまで育て上げた本田さんは「何を目的に仕事をしているのか。それは、モビリティによって多くの人たちが幸せになることだ。人の幸せのために俺は仕事をしているんだよ」と述べています。車づくりは目的ではなく、人々を幸せにするための手段にすぎないということです。
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May 07, 2020 at 09:00AM
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部下のやる気が上がる「3つのスイッチ」 本田宗一郎に学んだリーダーシップ - PRESIDENT Online
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