週に2回ブルペンに入り多いときは約70球。日々、ウエート、ランニング、キャッチボールなどのメニューをこなし調整を続ける本田圭佑は、春先に比べて調子が上がってきた。「この自主練習期間中に上がってきましたね。ウエートもあまり重い物でやっていなかったんですが、重さを増しました。回数は少なめにして、質を上げるように」。その成果はしっかりと出始めている。
「打者がいれば、直球もいいときの球速(147キロ)が出るくらいの調子」と笑顔を見せたが、5月14日もブルペンに入り、自身の出来にうなずいた本田は、球速、球質も徐々に手応えを感じており、常時表情は明るい。
その明るい表情には、昨年同様しっかり整えられたヒゲ。通常、手入れは毎日行うか、2日に1回。剃刀、バリカンを巧みに使い、鼻の下は3ミリに、そしてアゴは6ミリにキープする。試行錯誤する中で、「この長さがしっくりくるな」と鏡と向き合い決めた長さだ。
昨年、西武のヒゲと言えば“本田”というイメージを確立させたが、思わぬライバルが現れたのは今年の自主練習期間中。増田達至、武隈祥太らが口の上下、アゴから耳にかけてヒゲをたくわえ、その長さは本田と引けを取らないものになった。「正直、ヒゲと言えば(周りの皆さんには)自分だと思ってほしかった(笑)。増田さん、武隈さんを見てすごいヒゲだと思った」とポツリ。「なんか埋もれてしまったな」と続けた。
本田も自主練習期間中は周りに触発? されてか、通常の長さの2倍までヒゲを伸ばしたという。アゴはゆうに1センチを超え12ミリ、口の上も6ミリまで伸ばしたが、そんな本田を“指摘”したのが増田と武隈だったという。「おまえ、そろそろ剃れよ」と声をかけられ、結局は先輩には逆らうことができずに、元の長さに戻したことを明かした。
ただ、理由はそれだけではない。
「やはり、この事態が終息して、開幕に近づいてくればうれしいです。そんなことも思いまして、“シーズン仕様”にしようと思いました」
球音はきっと近づいている。昨年同様、マウンドではちょっと強面の本田圭佑が躍動するのが楽しみだ。
西武ライオンズ
週刊ベースボール
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