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Tuesday, June 2, 2020

「次の総理にふさわしい政治家は誰」FNNの世論調査で安倍首相が急落 - livedoor

「次の総理」世論調査は石破氏がトップを維持

FNNは5月30・31日の両日、全国の有権者を対象に電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し1069人から回答を得た。安倍内閣の支持率は、前月の調査より7.7ポイント下落し36.4%となり、支持しない人は52.5%と約2年ぶりに半数を超えた。

辞職した東京高検の黒川前検事長への処分や退職金に納得できない人が8割を超えていて、政府の新型コロナウイルス対応への評価がやや持ち直したにも関わらず支持率が急落したことの大きな要因になったことがうかがえる。

そしてこの調査では、「次の総理大臣にもっともふさわしいと思う政治家は誰か」について11人の政治家の名前をあげて聞いたが、結果は次の通りだ。

石破茂   18.2%
安倍晋三  12.2%
小泉進次郎  8.8%
河野太郎   5.0%
枝野幸男   3.5%
菅義偉    3.0%
岸田文雄   1.9%
西村康稔   0.9%
野田聖子   0.9%
加藤勝信   0.5%
茂木敏充   0.4%
この中にはいない 32.4%

4月に実施した前回調査に続いて石破茂元自民党幹事長がトップとなり、安倍晋三首相、小泉進次郎環境相、河野太郎防衛相、枝野幸男立憲民主党代表、菅義偉官房長官と続いている。

下落は石破氏・安倍氏・小泉氏、上昇は河野氏・枝野氏・菅氏

そしてこの結果を、去年12月から今年4月にかけての過去4回の同調査結果と比較して、より詳しく分析する。(去年12月・今年2月・3月・4月・今回)

石破茂  18.5%・21.2%・18.5%・20.2%・18.2%
安倍晋三 18.2%・15.0%・18.8%・15.4%・12.2%
小泉進次郎14.5%・8.6%・9.8%・9.3%・8.8%
河野太郎 5.3%・4.4%・4.1%・3.6%・5.0%
枝野幸男 4.7%・6.0%・4.9%・2.2%・3.5%
菅義偉  3.0%・2.4%・1.0%・1.3%・3.0%
岸田文雄 2.7%・2.4%・2.9%・2.7%・1.9%
西村康稔 ―・―・―・0.3%・0.9%
野田聖子 0.9%・1.2%・0.7%・0.6%・0.9%
加藤勝信 0.2%・0.4%・0.5%・0.2%・0.5%
茂木敏充 0.6%・0.4%・0.5%・0.3%・0.4%

まず目に付くのが、安倍首相の数字が前々回3月の調査と比べ6ポイント以上下落し、10%台前半まで落ち込んだことだ。一時自民党内でも安倍首相4選論が取りざたされたが、この頃あまり聞かれなくなっている中で、これまで安倍首相4選を望んで名前をあげていた人たちの中に、「安倍首相でなくてもいいか…」と考える人が徐々に増えたということになりそうだ。

続いて見て取れるのが、石破氏、安倍首相、小泉氏という3トップがいずれも数字を落としていることだ。安倍首相と石破氏の数字の相関性で見ても、これまでは安倍首相が増えれば石破氏が減り、安倍首相が減れば石破氏が増えるという傾向にあったが、今回はそろって下落している。また、安倍首相が自らの後継として期待しているとされる岸田文雄自民党政調会長も数字を落としていて、ポスト安倍をめぐる混迷が垣間見える。

では、逆に数字が上昇しているのは誰か?

変動幅が1.0ポイント以内の微増は誤差の範囲として除くと、上昇したのは河野氏、枝野氏、菅氏だ。いずれもここ数回の調査で下落した分を取り戻したという要素が大きいが、結果的に安倍首相への不満の受け皿として浮かんだ選択肢だった面があるのかもしれない。

また、「この中にはいない」と答えた人は前回の34.5%から32.4%に減ったが、選択肢としては設けていない「わからない・言えない」という回答が9.4%から12.4%に増えた。政権が揺らぐ中でも、ポスト安倍を具体的にイメージするのが難しい状況になっている面もありそうだ。

自民党支持層では安倍首相リードもここ半年で最低に…神奈川トリオに注目

続いて、次期首相を事実上決める自民党総裁選においては、自民党員と自民党所属国会議員の意思が直接反映されることを踏まえ、自民党支持層に限っての今回の調査結果を、最近の推移も含め見てみる。(去年12月・今年2月・3月・4月・今回)     

安倍晋三 34.4%・33.9%・39.3%・30.7%・28.7% 
石破茂  20.6%・16.9% ・19.7%・18.7%・16.0%
小泉進次郎10.9%・11.0% ・8.3%・9.2%・12.3%
河野太郎 6.5%・6.2%・5.8%・3.7%・6.1%
菅義偉  5.7%・3.8%・1.7%・2.7%・4.3%
岸田文雄 4.6%・5.0%・3.2%・4.4%・3.8%
加藤勝信 0.0%・1.2%・0.2%・0.0%・1.0%
野田聖子 0.5%・0.5%・0.5%・0.5%・0.9%
茂木敏充 1.1%・0.7%・1.1%・0.5%・0.5%
西村康稔 ―・―・―・0.3%・0.2%

このように、自民党支持層で見ると、安倍首相がトップを維持しているが、数字はここ半年の中で、初めて3割を切った。仮にこれ以上の下落が続くと、自らの後継をめぐる“ポスト安倍レース”への影響力が低下する可能性がある。そして安倍首相に次ぐ位置にいる石破氏も下落した一方、菅長官が数字を少し伸ばし、岸田氏を制した。また小泉氏、河野氏も数字を伸ばしている。

奇しくも、数字を伸ばした小泉氏と河野氏は同じ神奈川選出ということもあり、菅長官とのパイプが太いとされる。単純に3人の数字を足し合わせれば20%を超え安倍首相の数字にも迫る。この神奈川トリオが次の自民党総裁選でどのように動くかは注目されるところだ。

無党派に限ると岸田氏の数字が1%以下に

衆議院の解散総選挙があった場合に勝敗のカギを握るのは、無党派層の動向だ。そこで「支持政党なし」と答えた人に限っての数字を、これまでとの比較で見てみたい。(去年12月・今年2月・3月・4月・今回)

石破茂  18.2%・22.3%・16.1%・18.5%・16.7%
小泉進次郎19.3%・8.4%・12.8%・9.4%・9.4%
安倍晋三 7.5%・4.3%・9.5%・5.0%・5.4%
河野太郎 4.8%・4.1%・3.3%・3.9%・3.7%
枝野幸男 2.9%・4.2%・3.6%・2.1%・3.6%
菅義偉  0.8%・2.3%・0.8%・0.6%・2.5%
西村康稔 ―・―・―・0.4%・1.1%
岸田文雄 1.1%・1.4%・1.7%・1.6%・0.6%
野田聖子 1.1%・1.6%・0.7%・0.4%・0.6%
茂木敏充 0.2%・0.2%・0.2%・0.4%・0.2%
加藤勝信 0.2%・0.0%・0.2%・0.0%・0.0%

このように、石破氏がやや数字を減らしたもののトップをキープした。その他で目に付くのが、岸田氏の数字が1%を割ってしまったことだ。誤差の範囲とも取れるが、ポスト安倍候補の筆頭とも目され、新型コロナウイルスに伴う経済対策でアピールできる立場だったにも関わらずこの結果になってしまった。自民党内に次期総選挙を岸田氏の顔で戦うことへの不安がよぎっても不思議ではなく、自民党総裁選挙にも影響を与える可能性も否定できない。

ただ、この無党派層の回答に関しては、39.0%が「この中にはいない」、17.0%が「わからない・言えない」と答えていて、仮に国会議員に限らず都道府県の知事などを選択肢に入れると、まったく違う結果になる可能性は秘めていることには留意する必要がある。

最後に、男女・年代別に見ると10・20代女性で石破氏と答えた人の数字が0.0%と出た。同年代の男性では24.4%、女性の60代以上でも21.1%となっているのに対し、低さが際立っている。0は誤差による偶然だろうが、石破氏の人気が若い女性層で比較的低いのは過去の調査でも同様だ。石破氏は高齢世代からの人気は極めて高いだけに、支持層の裾野を広げる意味では、こうした層への浸透をより図ることも必要になりそうだ。

(フジテレ政治部デスク 高田圭太)

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