
◆SET 観客には見えない細部まで精巧に作られている舞台セットが魅力。オペラ座の大階段で『マスカレード』を熱唱するシーンは、キャストだけではなく20体の人形で“増員”させて迫力をアップさせている。あるキャストの両親が観劇した際に、人形をわが子と見間違えた……という逸話もあるほどリアル! 客席からは一度も見えない、怪人の立ち位置からの貴重なアングル。楽譜も白紙ではなく音符が書かれている。燭台の蝋の流れるような溶け具合も見事な作りで、譜面の左横に置かれているのは怪人愛用の羽ペンで、実は怪人は“左利き”なのか!?という想像もふくらむ。
◆SET CHECK 公演前に毎日行われている舞台装置、音響装置の確認は2時間以上かけて行われている。音響確認で流れる音楽は、劇中曲の限りではない……という意外な秘話も。担当者次第ということで、取材した際も洋楽が流れていた。 クリスティーヌがボートで地下室に誘われるシーンで、荘厳な雰囲気に欠かせないロウソク。本番ではスモークがたかれるため、床からせり上がっているところが見られるのは装置チェックのときだけ。怪人は流行りモノに敏感だったという設定があるそうで、ボートに置かれたクッションには19世紀当時に流行していた中国風の装飾が使われている。劇中では、怪人が中国風の帽子や羽織りを身に着けているシーンもある。
こけら落としに合わせて日本初演以来、新調されたシャンデリアは、重さ約400kg、高さは2.2mあり、約500個の装飾用の半球や手作業で付けたという繊細なビーズで飾られている。舞台上で、複数のスタッフが装飾の細部まで確認する。 背景やドレープは、複数のシーンを同時進行で確認。劇中では同じシーンでは登場しないため、チェック中ならではの光景だ。スタッフは、すべてのドレープにペンライトを上下に当てながら目視で動作を確認していく。
◆CLOSET ROOM 3名のスタッフが常駐し、約200着の衣装を管理する衣装室。常に衣装1着分を作れるくらいの、布地やパーツなどの材料が揃っているという。衣装スタッフは開演3時間前から準備。終演後は、衣装のホックが取れていないかなどのメンテナンスチェックも怠らない。 19世紀が舞台となる『オペラ座の怪人』の衣装には、ファスナーを極力使わないようにしているという。万が一、客席から見えたときに夢を損ねたくない…という細やかな配慮だ。 撮影/川野結李歌、阿部章仁(公演写真) ※女性セブン2021年4月22日号
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