「ワーケーション」という企業の新しい働き方
創業70年の老舗旅館「和多屋別荘」。 ここで2020年4月、客室を改装して事務所を開設したのが、東京に本社がある企業「イノベーションパートナーズ」。 イノベーションパートナーズ 本田晋一郎社長: 今、東京都内でも、本社を持たないような会社が増えていく中で、ここに温泉もありますし、おいしいものもたくさんありますし、それが一つの環境で仕事も兼ねてできると 温泉に無料で入れるほか、足湯やバーなど、旅館の各施設を利用することができる。 イノベーションパートナーズ 本田晋一郎社長: ダブルアドレス・トリプルアドレスという時代になってくるんじゃないかと思っていて、働き方の新しい形というのは、おそらく“ワーケーション”になっていくんじゃないかなと思っています 「ワーク」と「バケーション」を合わせた言葉「ワーケーション」。 観光地やリゾート施設などで、テレワークや支社業務を行う新しい仕事の在り方を指す言葉。 東京本社とのオンライン会議: 今画像だけもらっているところとかあります? いや、もうないな。あともう返事待ちばっかり
市や県から企業立地の助成金も
社員約50人のうち、現在5人がこの嬉野の事務所に勤務している。 東京から長期滞在で来ている社員は… 嬉野事務所の支社長 阿部彩香さん: 10時間くらいパソコン見ているじゃないですか。家に(在宅勤務で)いると、ずっと画面しか見ないので、息抜きにならないんですよね 嬉野事務所の支社長 阿部彩香さん: この間まで桜も見えたし。冬は雪景色が見られて、すごく四季を感じられるなと。割と最初ルンルンで観光気分の方が強かったんですけど、2週間くらいいると慣れてきて、1カ月くらいいるとこれが日常になってくる。結果、1週間目は仕事にならなかったとしても、1カ月目とかになると効率はすごく良くなる。東京で働くよりもオンとオフの切り替えができるようになるので 事務所に改装する費用は1部屋あたり400万円ほどで、会社で負担。 毎月の家賃として和多屋別荘に140万円ほどを払っているが、このうち4分の3は市や県から企業立地の助成金を3年間受けられる見込み。 助成金の条件でもある、現地採用も進めた。 2020年4月、嬉野市で採用された社員は。 嬉野市で採用された社員(古賀明香さん): ちょうど子育ても少し落ち着いてきたので、そろそろ自分のやりたいことを考えた時に、弊社が協定締結式を行っていたのをテレビ(ニュース)で見まして、嬉野でこんな面白い取り組みされる企業が入るんだということで、すごく興味がわいて 佐賀市内の学生だったインド人の男性はエンジニアとして採用され、今は旅館の社員寮に住んでいる。 2020年4月以降、コロナ禍による観光客減少のため、和多屋別荘は稼働する客室数を半分以下に減らすことになった。 その残りの客室を別の事業展開に振り向ける必要性も出てきた。 和多屋別荘・小原嘉元社長: このコロナによって、今まで通り1泊2食を売ることだけで100%ビジネスが成立していたのが、完全に終焉(しゅうえん)を迎えて破綻を迎えた。事業収入のポートフォリオ(構成)を完全に変えていくことが確実に求められる。それをしないとたぶん弊社も生き残れない イノベーションパートナーズは、和多屋別荘自体のプロモーションやウェブサイト制作も担っている。グループ内で広告業を請け負う「ハウスエージェンシー」としての関係。 旅館は、ワーケーションの場所としてだけでなく、ともに発展を目指す共同体となっている。
からの記事と詳細 ( 「1カ月経つと効率上がる」温泉旅館に4つの企業が事務所開設…「ワーケーション」が生み出すもの【佐賀発】(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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