FBS福岡放送
新型コロナウイルスが再び猛威をふるい、感染者への対応にあたる保健所は多忙を極めています。その業務に密着すると、第5波の感染がどのように広がっているのか、明らかになってきました。 ひっきりなしに鳴り続ける電話。久留米市保健所の新型コロナ対策チームです。 ■保健師 「何℃くらい?初めて熱が出た日、38℃くらいですね。」 感染者やその接触者と連絡を取って、どのような行動をしたか調べたり、医療機関との調整などの業務に追われています。 ■久留米市保健所・田中浩之課長 「こちらが保健師の島、医療調整。医療機関からの発生届をもとに、その人の処遇をどうするかドクターと話して決めている。」 久留米市は7月中旬には感染者がゼロの日もありましたが、 8月第1週は1週間で180人と急増。コロナ対策チームを通常の2倍の約40人に増やしましたが、業務は連日深夜まで及んでいます。 ■久留米市保健所・田中浩之課長 「7月の下旬から5波の入り口で感染拡大、久留米でも感染拡大、なんとかやりくりしている」 そこで見えてきた感染経路の一つが「職場」です。 ■保健師 「一緒に働いた同僚を接触程度に応じて検査につなげるが、よいか」 電話の相手はある飲食店の担当者。同僚が感染しました。同僚は38℃の発熱がありましたが、こうした症状が出る2日前から周囲に感染させるおそれがあるため、勤務が重なっていた人や、職場の感染対策を確認します。 ■保健師 「出勤前の体温測定はしていますか、マスクの着用はしていますか。本人と一緒に働いていた人は4人で大丈夫ですかね。」 聞き取った内容を医師と共有し、濃厚接触者などを特定していきます。 ■保健師 「インカムとかレジとパソコン、共用物があって消毒が徹底されていない。」 ■医師 「濃厚接触者はゼロで、接触者4人で。」 共用して使う物がありましたが、マスクなど基本的な感染対策はできていたことから、職場の同僚4人は「濃厚接触者」ではなく、「接触者」となりました。 「濃厚接触者」は感染者と最後に接触した日から2週間の自宅待機、「接触者」はPCR検査の陰性が確認されるまで、自宅待機が求められます。保健所が「接触者」の1人に連絡を取ると。 ■保健師 「髪は違う日にしてくれないですかね、髪切るのは、陽性だったら、またそこから接触者、多くの人が検査の対象になる可能性があるので。」 帰省するため、PCR検査の結果が出る前に美容室で髪を切りたいといいます。 ■保健師 「お願いしたけれど、切りに行く法的効力ないので、接触者レベルで行動制限できない。必要性を説明して、あとはお願いになる。」 外出自粛を呼びかけますが、理解を得るのは難しいといいます。 そこにきて感染力の強いデルタ株が広がり、市中感染の増加が心配されています。 ■久留米市保健所・田中浩之課長 「今回の特徴としては感染経路不明の割合が結構ある。どこで感染したか、分からないケースも結構出ている。」 市中感染の増加にともない、ウイルスが家庭内に持ち込まれるおそれも強まっています。 ■保健師 「体調はどんなですか、月曜夜に熱発ですね。」 電話の相手は、この日感染が確認された未就学の男の子の母親です。最初に父親が感染し、同居するほかの4人を濃厚接触者として検査したところ、男の子の感染が確認されました。父親はホテル療養を希望しましたが、感染の急拡大で、すぐに調整がつきませんでした。数日間、自宅で隔離生活をし、その後、ようやくホテルに移れたということです。 ■保健師 「同居家族は濃厚接触者になるが、もし発症したらと念頭に置いて家庭内でも隔離、家庭内でもマスクをする、換気をする、基本的なところを徹底してもらうよう伝えている。」 ワクチン接種日本一を目指す久留米市では、すでに人口のおよそ半分が1回目の接種を終えています。 感染者の6割が20代から30代で、いまのところ重症者はいません。医師でもある保健所の職員は、「ワクチンの効果が出ている」としながらも、油断をしないよう呼びかけています。 ■医師 「ワクチンも100%防ぐものではないので、今回も2回打って感染した人もいるので油断はできない、従来通りの感染対策は必要かと思う。」 過去に例のない感染者の増え方を見せている「第5波」。職場や家庭での感染拡大が増えていて、身の回りでの対策がいままで以上に必要になっています。
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