9月14日の東京株式市場で、日経平均株価がことしの最高値を更新し、1990年8月以来、およそ31年ぶりの水準となりました。31年前といえば、まさにバブル経済のまっただ中。それに対して今はコロナの感染拡大が収束せず、緊急事態宣言もまたまた延長されたばかり。それなのに、どうしてそんなに株価が上がるの? 株式市場を担当する仲沢啓記者と古市啓一朗記者、教えて!

古市記者
専門家は、このところの値上がりについて2つの要因を指摘しています。 SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長によりますと、「経済回復への期待」と「政策に対する期待」です。
「経済回復への期待」とは、コロナの感染拡大でいったん痛んだ経済が、今後本格的に再開していくという期待です。
国内の新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあることや、ワクチンの2回目の接種を終えた人が全人口の50%を超えたことで、こうした期待が高まっています。
「政策に対する期待」とは、菅総理大臣の自民党総裁選への立候補断念を受けて、次の内閣が強力な経済対策を打ち出すのではないかという期待です。
投資家の間では、さらなる財政出動や構造改革を期待する声も出ていると言います。
また、海外に比べて日本企業の株価が「出遅れ」、つまり業績の割に値上がり幅が少なく、割安感があったことも影響しています。
仲沢記者
確かに同じ株価水準でも、経済の姿は31年前の1990年と今はまったく違います。

1990年は新語・流行語にはまさに「バブル経済」が選ばれていて、経済成長を示すGDP=国内総生産の伸び率は実質で4.9%。
一方、ことしは4-6月期の伸び率が年率換算で1.9%。
今よりも力強く経済が拡大していました。
また、主な企業の春闘での賃上げ率は、当時が5.94%に対して、ことしは1.86%にとどまっています。 当時は、経済成長に応じて人々の賃金も大きく伸びていました。
そうした状況を反映してか、1990年は海外旅行に出かけた人が初めて年間で1000万人を超えたり、「ティラミス」が大ブームになったりしたのもこの年で、豊かさが感じられた時代かもしれません。
古市記者

SMBC信託銀行の山口投資調査部長は「過熱感という意味では、短期間に上がりすぎている部分はある。一方で、出遅れを完全には取り戻していないので、もう少し伸びる余地はある」と話しています。
その上で山口氏は「今は政策期待が先行しているが、今後、自民党の総裁選挙や衆議院選挙を経て、政策が実行に移される段階になった時に、期待に現実が追いついてこないとなった場合には、今の株価水準を維持できなくなり、いったん下落する局面も出てくる」と指摘しています。
また、金融政策との関係についても「経済の実態と比べると、金融政策が強すぎるとも言えるので、この先の金融政策の方向性が株価に与える影響も大きい」と指摘しています。
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