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Tuesday, September 14, 2021

米の概算金過去最低レベル 農家から上がる悲鳴 - 朝日新聞デジタル

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 JA全農あおもりは、各農協が今年産の主食用米を集荷する際、生産者に仮渡しする「生産者概算金」の目安額(1等米、60キロあたり)を、昨年より3400円引き下げた。2013年からの下げ幅は最大、金額も最低の水準になり、農家からは「経営が成り立たない」と悲鳴が上がっている。(吉備彩日)

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 JA全農あおもりが示した概算金の目安額は、「つがるロマン」が8200円、「まっしぐら」が8千円で、過剰在庫と豊作でこの9年間で最低だった2014年産に次ぐ安値になった。「青天の霹靂(へきれき)」は非公表だが、各農協によると、20年産より500円低い1万5100円という。

 各農協は、この目安額をもとに生産者に仮渡しする生産者概算金を算出しており、県内10農協のうち7農協が13日までに目安額と同額にすることを決めた。

 JA全農あおもりの成田具洋・米穀部長によると、今回の大幅な引き下げは、新型コロナウイルスの感染拡大で、外食向けの業務用米の需要が低迷したことが主な原因という。県産の主食用米は約6割が業務用で、特に「まっしぐら」で業務用の割合が高く、影響を受けやすかった。

 また、全国のコメの在庫量は今年6月末時点で219万トンと14年と同水準まで積み上がっているうえ、農林水産省が8月に示した青森県のコメの作柄概況は「良」で、平年より多い収量が見込まれることも響いた。

 さらに、コメの総需要量はこの30年余りで約2割落ち込み、減少傾向は続いている。成田さんは「14年より状況は悪化しているうえ、新型コロナの感染状況がどうなるのか全く見えない。産地の努力でどうにかできるレベルを超えている」と危機感を示す。

 この事態を受けて、JA青森中央会と県農協農政対策委員会は16日、県選出の国会議員らに対し、▽農家への支援や再生産に向けた対策▽収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)の早期発動と減収の補塡(ほてん)▽国の備蓄米の買い入れ枠の拡大――などを求める緊急要請を行う。

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 今回の概算金の大幅引き下げに、県内の生産者の間には衝撃が走った。

 「まさか9千円を割るなんて。経営が成り立たない値段だ」。青森市農事組合法人「羽白開発」の福士博人さん(27)と嶋田龍之介さん(27)はため息をつく。

 同法人ではコメの需要減を見越して、昨年から一部を輸出用に振り向け、今年からは飼料用の割合を増やしてリスク分散をしてきたが、今回の2品種の下げ幅はカバーできない。

 「(例年と比べ)1千万円は収入が下がる。加入している収入保険の条件に該当すればいいが」と表情を曇らせる。

 農林水産省の統計では、コメを10アール生産するのにかかる費用は、2019年の県産米で約9万1500円。1俵(60キロ)あたり9千円という値段は、10アールで10俵とれると計算した場合に、赤字になるかどうかの一つの目安となるという。

 田舎館村でコメの生産・販売を手がける「ライスファクトリー」の社長、白戸陽平さん(37)も「会社員の給料が3割カットされるのと同じ。農家はどうやって暮らしていけばよいのか」と嘆く。

 つがるロマンとまっしぐらは農協ではなく仲卸業者に納入しているが、概算金引き下げの影響は避けられない。農協に納入する予定の青天の霹靂の引き下げ幅は比較的小さかったが、「来年以降、他の2品種の値段に引っ張られるかもしれない。作っても大丈夫なのかと不安だ」と話す。

 今回の事態を受け、各農協は生産者の支援策を検討。JA青森は低金利融資を始める準備をしているが、白戸さんは「融資も結局は借金。農家にとってはいま組んでいるローンの返済期限を延長するほうが助かる」と訴えた。

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 〈生産者概算金〉 各農協が生産者から販売委託を受けたコメを集荷する際に払う仮渡し金。販売見込み額から、概算金のほかに経費や手数料を差し引いた額が追加払いされる。青森県では2017年産まで、JA全農あおもりが各農協に支払う「JA概算金」と、各農協が生産者に支払う「生産者概算金」の2段階に分かれていたが、18年産からJA概算金が廃止され、JA全農あおもりが示した目安額をもとに、各農協が生産者概算金を決めて生産者に支払っている。

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