
地域の歴史や風土、有形無形文化財、名勝、景観、豊かな自然や生活文化──。そうしたものを題材に、さまざまなアートプロジェクトが展開されてきた京都。アートの重要な要素のひとつである「想像力」を新たな資本とし、先端技術やアーティストが紡ぐナラティヴによって地域の文化資源の魅力を引き出すフェスティヴァル「ALTERNATIVE KYOTO -もうひとつの京都- 想像力という資本」が開催されている。 【画像】「ALTERNATIVE KYOTO もうひとつの京都」レポート 各エリアにキャスティングされたアーティストたちは、地域の歴史や自然環境をリサーチしながら、その土地に受け継がれてきた伝統を掘り起こす。そのようにして得た発見を、現行のテクノロジーや現代アートの文脈に落とし込むことで地域の背景を浮かび上がらせながら、現在の住人や他所からの来場者と接続する──。「想像力という資本」のサブタイトルには、アート表現を通じて豊かな地域資源を可視化する意図が込められている。 それぞれテーマが設定された京丹後、宮津・天橋立、与謝野、福知山、南丹、八幡の6エリアを舞台に、25組の作家が作品を発表。このうち京丹後、宮津・天橋立、与謝野の3エリアから、SIDE CORE、原摩利彦+白木良、ANOTHER FARM(スプツニ子!こと尾崎ヒロミ+串野真矢)など6組の作家による表現をひも解いていく。
「ドルフィン・マン」とは何者か?
アートを通じて「風景の見え方を変化させてしまう」ことをコンセプトに、京丹後で設定されたエリアテーマは「風景泥棒 3 -Landscape Rippers 3-」である。かつては日本海の交易拠点のひとつとして重要な役割を担い、海と山の美しい自然に彩られ、丹後ちりめんなどの産業の歴史も息づくこのエリアで、3組のアーティストが出品する元田重機業織物工場の展示を訪れた。 織物工場跡の会場建物に足を踏み入れると、1階には1軒の小屋が建てられている。扉の脇にはイルカがモチーフの陶製プレートが標札のように貼られ、ウェットスーツもかけられている。ここには「ドルフィン・マン」が住んでいるのだという。 町の人にその存在はよく知られているが、何をしている人物なのかはよくわからない──。それがDAISAK+NTsKi+川勝小遥によるインスタレーション「ドルフィン・マン」だ。子どものころに京丹後で過ごしたNTsKiが通学路で見た、自分で建てた家に暮らすひげの生えたひとりの男に抱いた好奇心が、創作の出発点にある。京丹後にはイルカが稀に現れるとされていることから、今回の作品の構想が具現化した。 「ドルフィン・マンのように気になる人物、怖いんだけれど好奇心の対象になる人物が、世界中のどこにでも存在すると思っています」と、主に陶芸を用いた制作を続けてきた作家のDAISAKは語る。 「映像はNTsKiが手がけ、小屋はぼくが建てて内装のものは3人が持ち寄り、水面の照明は川勝さんが担当しました。インタヴュー映像では、ドルフィン・マンを想像して話してもらったり、地元で気になる人を思い浮かべて話してもらったりしましたが、網野町(現・京丹後市)でなくてもいいんです。みんなにとっての『変なおじさん』が、ドルフィン・マンなんです」 「イルカをモチーフに作品を制作する」という共通項をもつ京都出身の3名の作家が集まり、京丹後で受けたインスピレーションから世界中に存在する「変なおじさん」のナラティヴを独自に紡いでいる。
からの記事と詳細 ( 京都の「異なる顔」がアートを通じて浮かび上がる:「ALTERNATIVE KYOTO もうひとつの京都」レポート(WIRED.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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