プロ野球の阪神タイガースが好調だ。6月11日まで58試合を戦って36勝20敗2分けと勝率6割を超え、セ・リーグ首位。一方、東京株式市場では日経平均株価はバブル後最高値の更新が続く。13日の終値は33年ぶりに3万3千円台を回復した。好調な阪神と株価には、ひょっとして関係があるのかも。経済や景気の専門家に聞いた。
「景気はその国の国民の気持ちや心情に左右される面もあります。サッカーのワールドカップ(W杯)や野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など国民的な人気のあるスポーツで日本代表がいい成績を残すと、景気にもよい影響をおよぼす傾向がある」
大手の銀行や証券、運用会社で長年エコノミストを務め、身近なデータと景気や経済の関係に詳しい「景気探検家」の宅森昭吉さんはこう話す。人気のスポーツやチーム、選手の動向は景気ともかかわりがあるという。
「読売新聞が今年1~2月に実施した世論調査によれば、プロ野球は見るのが好きなスポーツでトップでした(複数回答)。一時に比べテレビの放映頻度や興味を持つ人は減ったとはいえ、なお『国民的スポーツ』と言っていい。同じ調査でプロ野球12球団のうち、阪神は巨人に次いで2番目に人気がありました」
阪神は5月30日に始まった日本生命セ・パ交流戦では5勝6敗1分けと勝率は5割前後にとどまるものの(6月11日現在)、セ・リーグの順位はなおトップで、2位の横浜DeNAベイスターズに5.5ゲーム差をつけて独走している。
宅森さんが1973年以降、この約50年間の国内総生産(GDP)の成長率とセ・リーグ優勝チームの関係を調べたところ(暦年ベース)、阪神がセ・リーグで優勝した1985、2003、05年の実質成長率の平均は2.83%だった。この間の各年の成長率の平均2.07%を上回った。
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