Layak Naik: NECとノーチラスCPUコア数に応じて性能が上がるデータベース ...

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ベンチマークでは112コアで456万トランザクション毎秒を実現

2023年7月10日(月)日川佳三（IT Leaders編集部）

NECとノーチラス・テクノロジーズは2023年7月10日、リレーショナルデータベース管理システム（RDBMS）ソフトウェア「劔（Tsurugi）」を開発したと発表した。劔は、高性能サーバー（メニーコア、大容量メモリーなど）に適合したシステムであり、ハードウェアの性能が上がるほどDBMSの性能も高まる特性を持つ。両社によると、32以上のコア数を持つハードウエアにおいて、トランザクション処理性能が456万TPS（トランザクション毎秒）、応答遅延（レイテンシ）が219ナノ秒を実現した。2023年7月10日にアーリーアクセス版を、2023年9月中旬にオープンソース版をコミュニティサイトで公開する。

　NECとノーチラス・テクノロジーズが開発した「劔（Tsurugi）」は、高性能サーバー（メニーコア、大容量メモリーなど）に向いたリレーショナルデータベース管理システム（RDBMS）ソフトウェアである（画面1）。ハードウェアの性能が上がるほどDBMSの性能も高まる、という特性を持つ。両者によると、32以上のコア数を持つハードウエアにおいて、トランザクション処理性能が456万TPS（トランザクション毎秒）、応答遅延（レイテンシ）が219ナノ秒を実現した。

画面1：高性能サーバー（メニーコア、大容量メモリーなど）に向いたリレーショナルデータベース管理システム（RDBMS）ソフトウェア「劔（Tsurugi）」のコミュニティサイトの画面（出典：NEC、ノーチラス・テクノロジーズ）
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　従来のデータベース管理システムは、バッチ処理中にデータの編集や新規データの追加ができない制限（シングルバージョン、ロック制御、ストレージと並行性制御の癒着による非効率なアーキテクチャ）がある。一方、劔は、データベースの分散化を前提としており、ほとんどすべての構成要素（コンポーネント）を従来とは異なる方針で設計・実装している。

　開発にあたっては、限定的な環境での検証ではなく、実運用に耐える管理システムとして実地での検証も実施した。大量のデータを効率的に分析する必要があるユースケースとして、定点観測カメラを用いた人流解析のリアルタイムデータベース処理、時間がかかる業務系のバッチ処理、3D（3次元）モデルを利用した災害対策地理情報システム（GIS）アプリケーション、などで検証し、有効性を確認した。

　背景には、データベースサーバーの構成要素のうち、CPUやメモリーなどのハードウェアは進化を継続している一方で、管理ソフトウェアは依然として旧来のハードウェア環境を前提に設計されているという事情がある。また、現在のDBMSは海外製が主流で、日本の情報産業の競争力を強化するには国産システムの普及が重要である。こうした中で両社は、NEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）の委託事業として2018年度から劔を開発してきた。