井上井月顕彰会の第11回「千両千両井月さんまつり」は9日、伊那市のニシザワいなっせホールで開いた。「新しい井月像と俳句の世界」をテーマに、研究者や顕彰会メンバーらによる講話、討論会を実施。伊那谷を漂泊した俳人・井上井月(1822~87年)の直近の調査結果や新たに浮かび上がってきた人物像を発表した。
発表者のうち顕彰会理事の宮澤宏治さんは、同市東伊那の区誌編さん作業に関わる中で地域の資料を調査。東伊那塩田で見つかった新句を含む計6句の中には、同じ句を詠んだ半紙が複数残るケースもあり「井月は気に入った字が書けるまでこだわったのでは」と分析。「まだまだ埋もれている句があるはず」と調査の重要性を強調した。
同会は近年の調査研究、書簡や日記の解読で新たな井月像が浮かび上がってきたとして今回のテーマを決めた。研究者の宮原達明さんは、差し出された着物の中から井月が最も古いのを選んだ逸話について「人々の厚意にすがって生かされていることを自覚し、新しいものより古着の方が着心地が良いとの意識があったのでは」と述べた。
顕彰会の北村皆雄会長は「放浪やこじきといった井月像は根強い。だが人間味あるエピソードも多く、なぜ放浪にかり立てられたのかなど多様な視点で論じたい。今回を出発点に新たな井月像をつくり出していきたい」と話した。
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