初対面の人や苦手な人といっしょにいる時、一瞬の沈黙が妙に長く感じられることはありませんか? 何か会話をしたいけど、何を話していいかわからない。せっかく話しかけてもらっても、うまい返しができなくてすぐに話が切れてしまった。そんな経験がある人は多いと思います。
そのたびに、「あ~、なんて自分はダメなんだ」と自分を責めてきませんでしたか。仕事でも、プライベートでも、世の中は雑談をする機会にあふれています。だから、「雑談が苦手だ」というマインドを持っていると、思いのほか、ストレスを感じることが多くなります。でも、そうした負の感情であなたの心を満たすのは、
今日でおしまいにしましょう。
ペラペラと饒舌にしゃべることだけが雑談ではありません。あなたは、あなたにできそうなことをやりつつ、ちょっとずつ雑談の技術を身につければよいのです。そんな雑談のテクニックがまとまった書籍『雑談が上手い人が話す前にやっていること』の中から一部を抜粋・編集し、雑談でたくさんモヤモヤを解消するヒントをまとめました。
【雑談が上手い人が話す前にやっていること】1人のときも「声」を出すと雑談力が上がる
ずっと家にいて、気づいたら誰とも話さず、声すら出さずに1日が終わっていた、という日はありませんか。
私も、学生時代に1人暮らしをはじめたころ、何日も声を出さないことがありました。大学がまだはじまっておらず、話す相手がいなかったのです。気づくと、3~4日の間、ひと言も話さずに過ごしていました。
ある日、お腹が空いたので、近所のおそば屋さんに入り、注文をしようとして驚きました。声が出ないのです。しばらく声帯をふるわさずにいたせいか、しばらく素っ頓狂な音が出て、やっと声になりました。
後年、アナウンサーの友だちにこの話をしたところ、
「入院すると、足の筋肉があっという間に落ちるでしょ。あれと同じですよ。声も、使わないとすぐに出なくなる。脳も怠けるから、言葉がまとまらなくなる。鼻歌でもいいから、声を出しておいたほうがいいよ」
と言うのです。非常に説得力がありました。まさに「声の筋肉」が落ちてしまったようでした。
■声を出すことにはストレス解消効果も
普段、声を出すことが少ないと、とっさのときにもなかなか声が出なくなります。
また、1人のときでも声を出していると、自分の心の声を認識することもできます。
声に出す → 声に出した言葉を改めて脳が認識する
つまり、声に出すことが、自分の正直な心を知る機会にもなるのです。
一方で、声に出さないでいると、脳の中に漠然とある感情や思考が、解像度が上がらない状態のまま存在してしまいます。
声に出すことは、プラスの効果が大きいのです。
日ごろあまり声を出していないと感じたら、声の筋トレをはじめましょう。
難しいことではありません。積極的に声を出すというだけのことです。
長い時間、パソコンのモニターやスマホと向き合っている私たちは、声帯をふるわせて声を出す機会が少なくなっています。LINEなどで、会話を交わしているから、結構話しているように感じますが、声を出す機会は減っているはずです。
声を出すと、自然と腹式呼吸が行われます。これだけで自律神経が刺激されて副交感神経が働き出し、心身をリラックスさせるそうです。
● 朝起きたら、「うーん!」とわざと声を出して伸びをする
● ジョギングなどの運動をして、「ハッ!」と大きな声を出す
● 作業がひと段落したときに、「ふー」と言って息をつく
最初はこれくらいで十分。声を出しているうちに、どんどん出るようになります。
■「ありがとう」と言いながら掃除をする
声を出すことの効果を知ってから、私はこれをかなり意識してやっています。
たとえば、面倒くさいお風呂の掃除。これを黙々とやっていると、脳内は「めんどくさいなぁ」という思いで充満してしまいます。
そこで、「ありがとう、ありがとう、ありがとう」と声に出しながら掃除をする。
すると、はかどるし、いつもお世話になっている湯船やシャワーに感謝の念が湧いてきます。
今夜から、すぐにでも実践できるおすすめの方法です。
鼻歌もよく歌っています。元気が出る歌の断片を歌っています。
このとき、ハミングではなく、歌詞を歌ったほうが効果的に感じます。脳が、言葉を出そうと働きだします。
今、私はパソコンでこの文章を書いています。書くときも私は、声を出しながら書いています。経験でいえば、眠くなることもなく、リズム感のある文章が書けます。声を出すことで、リラックスしながら書けます。
まずは1人でできることをやってみる。声を出す機会を極力増やす。
● 朝晩、本を2〜3行、朗読する
● 親や友人に、メールではなく電話をしてみる
● ペットやぬいぐるみに、声を出して話しかける
実際に声を出せるなら、なんでも構いません。声を出せば、口もよく開くようになる。呂律もしっかり回るようになるはずです。
〈ポイント〉
1人のときも「声の筋トレ」をする。声出しだけで心身がリラックスできる。
★ ★ ★
いかがでしたでしょうか?
初対面でも、苦手な人でも、もう怖くない会話が得意じゃない人でも大丈夫! 本書を読めば苦手な雑談がたのしくなる秘けつを学べるはずです。
以下のような「雑談コンプレックス」を持つ方は是非、書店でチェックしてみてください。
●まずもって、何から話したらいいのかわからない人
●「これを話したらどう思われるだろう?」など、相手の気持ちを考え過ぎて話せない人
●「雑談が上手い人は、話が上手い人」(だから、自分は無理)と思っている人
●雑談で失敗した経験が忘れられず、「自分は話ベタ」と苦手意識を抱えている人
●本やYouTubeで話し方を勉強しているが、なかなかうまくいかない人
●社会人になってから、友人以外と雑談することに苦痛を感じている人
●リモートが増えて人との対話・雑談に苦手意識が増した人、もともと苦手な人
●親しくない人と話すとき、チャットはできても、顔を合わせての会話に自信がない人
●天気の話すらできない、対面だと「最初の一言」を話すのが怖い人
●「傾聴力が大事」と言われ過ぎて、つかれている人
●目的のない会話の仕方がわからなくて、苦手を感じている人
「雑談が上手い人が話す前にやっていること」
著/ひきたよしあき/アスコム
ひきたよしあき
コミュニケーション コンサルタント。
スピーチライター。
大阪芸術大学芸術学部放送学科 客員教授。
早稲田大学法学部卒業。博報堂に入社後、クリエイティブディレクターとして数々のCMを手がける。
政治、行政、大手企業などのスピーチライターとしても活動し、幅広い業種・世代の価値観、世代間のギャップ、言葉遣いの違いなどを分析し、コミュニケーション能力が高まる方法を伝授する。
また、大阪芸術大学、明治大学、慶應MCCなどで教え、「はじめて『わかった!』と心の底から思えた講義」「一生ものの考える力が身につく」と学生や社会人から支持を集める。
教育WEB「Schoo」では毎回事前予約が約20,000人、朝日学生新聞社「みんなをつなぐ新聞WEB」では、毎回1,200人近い子どもと保護者が参加する人気。
著書に『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)、『大勢の中のあなたへ』(朝日学生新聞社)、『トイレでハッピーになる366の言葉』(主婦の友社)など。
からの記事と詳細 ( 声を出して心身をリラックスさせる!雑談力が上がる「声の筋トレ」のすすめ|@DIME アットダイム - @DIME )
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