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Sunday, November 1, 2020

【天皇賞・秋】アーモンド“愛”実った!芝G1史上初8冠 ルメール涙「これはLove story」 - スポーツニッポン新聞社

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ルメールを背に天皇賞・秋を制し、史上最多の芝G1・8勝目を挙げたアーモンドアイ(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 近代競馬最強の絶対女王が、偉大な金字塔を打ち立てた。「第162回天皇賞・秋」が1日、東京競馬場で行われ、1番人気アーモンドアイ(牝5=国枝)が制して連覇。国内外を含めた芝G1・8勝目は、日本競馬史上初の快挙となった。また、騎乗したクリストフ・ルメール(41)は春を含めて天皇賞5連覇を達成。2着は5番人気フィエールマン(牡5=手塚)、3着は2番人気クロノジェネシス(牝4=斉藤崇)だった。

 アーモンドアイとルメールの愛の集大成。ゴール後、馬上で目を真っ赤にさせたルメールは会見で「これは彼女との“Love story”。本当に特別なストーリーだった。彼女を愛しているし、感謝したい」と何度も言葉を詰まらせた。

 逃げ馬不在、荒れた馬場。2つの不安を胸にルメールはゲート入りしていた。その予想通り、単騎ダノンプレミアムが刻んだ前半5Fは勝った昨年より1秒5も遅い。アーモンドは前残りを警戒しつつ好位5番手の外を追走。直線は得意のロングスパートの形に持ち込もうとしたが、そこでもう一つの逆風が。「前の馬が早めに疲れた。残り400メートルからずっと単走の形になってしまった」。他馬の後ろで脚を温存できず、出し切り続ける形に。その機を逃すまいと外から歴戦のフィエールマン、クロノジェネシスが襲いかかる。得意とは言えないタフな芝で内にモタれて苦しむアーモンド。右から左に持ち替えたムチでルメールが必死の鼓舞。誰もが息をのんだ瞬間、半馬身だけ前に出てゴールを駆け抜けた。

 2着との半馬身の差は過去最小。ルメールは「坂を上がってからはストライドが小さくなった。ずっと単走の形は苦しかった」と疲れたような表情で回顧。「本当に信じられないパフォーマンスだった。もちろん、彼女が一番強い。それでも競馬は簡単ではなかった」。

 シンボリルドルフ、ディープインパクトなどの名馬たちを抜いての歴代最多芝G18勝目(海外含む)。管理する国枝師は「7よりも8の方が末広がりでいいだろ」といつもの“国枝節”を見せつつ、「でも、緊張したよ」と本音も漏らした。初の牝馬による天皇賞・秋連覇、オルフェーヴルを抜いての総獲得賞金歴代4位。数々の記録を打ち立てる愛娘について「改めて凄い馬だなと。これだけの馬だから何かしら(のタイトル)をと思っていた。とにかくホッとしている」と表情を崩した。

 「今年か来年でこの“Love story”が終わってしまう。彼女と戦う時のプレッシャーが好きでした」とさみしそうに涙を流したルメール。引退までは残り1、2戦の見立て。国枝師は「馬の状態を見てオーナーサイドと決めます」としたが、候補としては香港遠征(12月13日、シャティン)か、大注目のジャパンC(11月29日、東京)。ジャパンC参戦なら、牡牝の3冠馬コントレイル&デアリングタクトとの対決が実現する可能性もある。残り少なくなった人馬の愛の物語をしっかりと目に焼き付けたい。

 ◆アーモンドアイ 父ロードカナロア 母フサイチパンドラ(母の父サンデーサイレンス)15年3月10日生まれ 牝5歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・㈲シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績14戦10勝(海外1戦1勝) 総獲得賞金16億1202万9900円 馬名の由来は美人とされる顔の目の形。

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