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Saturday, June 5, 2021

なぜ価格が上がる?いつまで上がる?ビットコインの素朴な疑問 - @DIME

layaknaik.blogspot.com

海外では、機関投資家(企業)が続々購入するなど盛り上がりを見せている「仮想通貨(暗号資産)」。確かに値動きは大きいが、「何だかよくわからないから」と敬遠していると、大きなチャンスを逃すかもしれない──。

坂井豊貴さん

慶應⼤学経済学部教授  坂井豊貴さん
慶應義塾大学経済学部教授。米ロチェスター大学Ph.D.(経済学)。著書に『暗号通貨vs.国家』など。自身も様々な暗号通貨を保有している。

ビットコインの疑問、専門家に全部ぶつけてみた

 約10年前、突如として世に現われた「ビットコイン」。それを皮切りに「仮想通貨(暗号資産)」が次々と登場し、今やその種類は数千にも及ぶ。熱心な投資家が多く、SNSでは「仮想通貨のおかげで大儲けした」という話もよく目にする。

 だが一方で、「どうして値上がりするのか、よくわからない」「価値を見いだせない」といった理由で、手を出していない人のほうが多数派だろう。

 はたしてビットコインは、買わなきゃ損する〝次世代の金融商品〟なのか。それとも、遠からず弾ける〝泡沫(うたかた)の夢〟なのか――経済学者で、自身もビットコインに投資している坂井豊貴教授が、多くの人が抱える疑問に答えるべく、誌上講義を開講します!

論点(1)ビットコインはなぜ価格が上がる?

 性能とブランド価値がともに高く、しかもおもしろいからです。

 2008年、サトシ・ナカモトと名乗る正体不明の人物が、ビットコインの論文を発表しました。そこには中央銀行のような管理主体のない、分散管理による新たな通貨の設計図が描かれていました。彼と有志の仲間はプログラミングも行ない、2009年1月にビットコインを世にリリースしました。技術と概念の発明です。

 そしてサトシは正体を明かさぬままコミュニティーに別れを告げ、これによりビットコインに真の分散管理が確立しました。

 この成り立ちだけでも非常におもしろいのに、ビットコインは「通貨」としての性能も優れています。

 まず、ビットコインはリリース以降、10年以上にわたり一度も止まることなく動き続けています。銀行のATMがお盆や年末年始に止まったり、たびたび障害が起きているのに対し、ビットコインは常時稼働しています。これは本当にすごいことです。

「朽ちない」という性質もあります。一般的に通貨は、その価値を保つためには長期間保存できるよう金属や紙で作られます。しかし、ビットコインは朽ちるような物体がそもそもありません。朽ちないし、質量ゼロで持ち運びしやすい金のようなものですね。ビットコインは現在、売買通貨というよりは、金のように価値を保存する手段として保有されることが多いです。だからよく「デジタルゴールド」といわれますね。

「金には実需があるが、ビットコインにはない」といった指摘は時々聞きます。あのですね、金に大した実需なんかないですよ。あるのは「金に実需がある」という物語。確かに金への実需としては、ネックレスとか金歯があります。でもネックレスや金歯に、そんなに実需の量がありますか。金のチャートを見ると、価格は概ね上昇の一途ですが、それは人間が金歯を好むようになったからではないでしょう。「価値の保存」へのニーズを金が満たしていたんです。そこにビットコインが今、加わった。昨秋からその価値に多くの人が気付いて、価格が上昇している。あれを投機としか見ないというのは、考えが浅いですよ。ビットコインにはロマンや物語、さらには技術的な魅力がある。そういうものが根底にあるから、不振のときも多くの人が支えたんです。

ビットコインの歩み

ビットコインの歩み

ビットコインの年表

2009

1月、ビットコインのシステムの根幹であるブロックチェーンの最初のブロック「ジェネシス・ブロック」が作成され、サトシ・ナカモトによって最初の送金が行なわれる。

2010〜2016

2010年5月、ビットコインによる初めての決済が成立。同月18日、米フロリダのプログラマーがオンラインフォーラムで「1万ビットコインとピザ2枚を交換しないか」と呼びかけ、22日に取引が成立する。
2010年7月、世界初となるビットコイン取引所「Mt.Gox」がサービスを開始。ビットコインの価格は緩やかに上昇を続ける。同時にビットコインを決済手段として採用する企業も登場し始める。

2017

8月、ビットコインのブロックチェーンから派生した「ビットコインキャッシュ(BCH)」が誕生。ビットコインを保有していればビットコインキャッシュも入手できることなどがきっかけとなり、ビットコインバブルが始まる。

2018

1月、大手仮想通貨取引所コインチェックから外部からのハッキングにより仮想通貨ネム(XEM)が約580円億円相当も流出する。世界で仮想通貨に対する不安が起こり、ビットコインの価格も大暴落する(ビットコインバブル崩壊)。

2020

2020年秋頃より、ビットコインが高騰を続ける。
同年10月、米・決済大手ペイパルがビットコインを使って買い物ができるサービスを開始すると発表。
2021年2月、米・電気自動車テスラがビットコインを15億ドル分購入したことを発表。
同月、世界初となるビットコインETF「パーパス・ビットコインETF」がトロント証券取引所に上場。

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