11月の消費者物価指数上昇率3.7%
「チキン代からツナ缶代、配送料に至るまで、値上がりしていない物がありません。外で簡単に食事をしようとしても1万ウォン(約963円)を超えるのは基本。果物も旬の物以外は高すぎて食べられません」。ソウルに住む会社員のKさん(32)は「『月給以外はすべて値上がりする』という話はまさに最近のこと」と嘆いた。 統計庁が2日に発表した「11月の消費者物価動向」によると、先月の消費者物価は対前年比3.7%の上昇。2011年12月(4.2%)以降の9年11カ月間における最高上昇率だ。購買頻度と支出比率の高い品目だけを選んで作成されるため「体感物価」と呼ばれる生活物価指数は5.2%も上昇した。肌で感じる物価が「怖い」という反応が自然な状況となっている。 先月の物価上昇を最も大きく牽引したのはガソリン価格だった。石油類が物価全体を1.32ポイント引き上げた。石油類は前年同月より35.5%上昇し、2008年7月(35.5%)以降の8年4カ月で最大の上昇となった。政府は先月、油類税を20%引き下げたものの、物価には大きな影響を及ぼさなかった。油類税引き下げ措置が適用されたのが先月12日になってからだったうえ、ガソリンスタンドに引き下げ前の在庫が残っていたため、物価を引き下げる効果は小さかったと政府は説明する。 油類税引き下げ分が全て反映されたとしても、ガソリン価格は依然として負担に感じる水準だ。長距離運行の多い会社員のLさん(41)は、このところ大きく値上がりしているガソリン価格のせいでガソリンスタンドに行くのが怖いという。Lさんは「油類税を下げてくれたため、1リットル当たり1800ウォン(約173円)台だったガソリンがすぐに1600ウォン(約154円)台に下がったものの、他の物価も大幅に上昇したため支出が大きく増えた。ガソリン価格上昇前に比べると、月に4万~5万ウォン(約3850~4820円)は出費が増えた」と話した。 安定を取り戻すかに思われた農畜水産物も対前年比で7.6%上昇した。政府は、野菜類の作況が良くないうえ、例年よりキムジャン(冬に備えてキムチを大量に漬けこむこと)シーズンが早くなった影響が大きいとみている。通常、キムジャンの季節は11月下旬から12月上旬ごろだが、今年は10月から寒波特別警報が発令されるなど、早く寒くなったため、11月にキムジャンの需要が集中したという。 実際に例年よりキムジャンを急いだという主婦のSさん(55)は、野菜の価格が上がりすぎて今年はキムジャンの量を半分に減らさざるを得なかったという。Sさんは「白菜、大根、唐辛子粉がすべて値上がりしているので、今年はためらった。それでもやらないわけにはいかないので、高い高いと言いながら少しだけやった」と語った。 物価の上昇は、変動幅の大きい石油類や農畜水産物のような供給側の要因だけが問題なのではない。すでに個人サービス物価は4月から2%台の上昇率を示していたが、先月は3%にまで上昇した。刺身(9.6%)、ピザ(6%)などの外食物価が大きく跳ね上がったためだ。過去5年間の外食物価の上昇率は0.09%に過ぎなかったが、先月は0.6%も上昇した。ソウルでデザートカフェを営むKさん(30)も「原材料価格が上昇しているから、リアルタイムで店の収入が減っているのを体感している」とし「値上げするか悩んでいる」と話した。 政府関係者は「他の要因よりもサービス物価が心配だ。普段なら物価が上がる前にあらかじめ抑制する必要があるが、今は原材料費は上がっているし、新型コロナウイルスのせいで自営業者の事情も非常に悪いため、いろいろと厳しい面がある」と述べた。物価の長期的な傾向を示すコア物価指数(農産物および石油類を除いた指数)も2.3%上昇し、2カ月連続で2%台の上昇率を記録した。 政府は、これに先立って韓銀が発表した年間物価上昇率の予測値である2.3%は超えないだろうとの立場だ。今月1日には経済協力開発機構(OECD)も、韓国の今年の年間物価上昇率の予測値を2.4%と発表している。ホン・ナムギ副首相兼企財部長官は、この日午前の非常経済中央対策本部の会議で「世界的な物価上昇の中、韓国は主要国に比べて低い水準」とし「12月には国際原油価格上昇の鎮静化、油類税引き下げ効果、キムジャンの早期終了などにより、上昇幅の鈍化が予想される。年間では韓銀とOECDの最近の見通しとほぼ同水準になるだろう」と述べた。 イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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