奈良県は、奈良を代表する観光スポットのひとつの猿沢池でことし９月から水質改善のための実証実験を行った結果、水の透明度が上がるなど一定の効果が出たと発表しました。
今回の実証実験は、奈良県が奈良市の興福寺の南側にある猿沢池でことし９月から行ったもので、２０日、会見を開いてこれまでの実験の結果を明らかにしました。
それによりますと、池から１キロほど離れた井戸の水を水路などを使って流し込み、池の水を入れ替える試みを行ったところ、水の透き通り度合いを示す透視度が実験前の３５センチからおよそ２か月間で９１センチまで上がったということです。
また、水の汚れの指標となるＣＯＤ・化学的酸素要求量もわずかながら改善したということです。
実験を行った県奈良公園室によりますと、冬の時期は、水の汚れをもたらすプランクトンの活動が鈍くなり、実験をしない場合でも水質は一定程度改善されるものの、例年に比べて水質が改善する時期が早まったということで、こうした点を踏まえ、「実験の効果が一定程度見られた」としています。
県奈良公園室の篠田隆三室長は「猿沢池の水質が改善し、きれいになった奈良公園特有の景観を楽しんでもらえれば」と話していました。
県は今後、１年を通して池の水を入れ替えられるよう、専用の水路を設ける予定で来年１月から工事を始めることにしています。
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