箱根駅伝は、次回で第100回の節目を迎える。往復10区間217・1キロを記者が走って詳述するランニングリポートは今回、神奈川県小田原市から芦ノ湖まで20・8キロの5区。16キロ付近まで心臓破りの坂が続く難路は、走力に加え、タフな精神力も問われるコースだ。
高低差800メートル以上の天下の険を登る。全区間で最も過酷で、最も箱根駅伝を象徴するのが5区だ。
小田原中継所を出てしばらくは、なだらかな上り。約3キロの箱根湯本駅に近づくと、左に早川の流れと山の緑が広がり、「いよいよ登りだ」と覚悟を決める。
封鎖中の函嶺洞門を左にバイパスを過ぎると、傾斜が強まる。約7キロの大平台まで徐々に勾配がきつくなり、呼吸が荒くなる。平地では1キロ約5分ペースで走るが、7分まで落ち込んだ。心拍数は毎分130回から160回に跳ね上がった。
10キロ過ぎの小涌谷踏切を越えると、また急勾配。一歩一歩、踏みしめるように歩を進めるしかない。12キロ手前、小涌園前を左へ曲がると長い直線。前後の差をチェックできるポイントだ。
ここから15キロの頂上までが長かった。疲れはピークでフォームも乱れる。高度が上がって心なしか息苦しくなり、気温も下がった。順大OB初代山の神・今井正人選手に聞いたコツ「斜め上前方を見て、へそを出す」意識で登り切った。
少しだけ下り、再び登ると標高874メートルの国道1号最高地点。急な下りに入り、制御不能なほどスピードが出る。必死に脚を回して下り切り、上りに感じる残り2キロの平地を耐え、芦ノ湖畔にたどりついた。忍耐なくしては走れない、まぎれもない超難関コースだ。
※記者が走るのはコース沿いの歩道などで交通ルールに従っています。歩道のない場所はコースを離れて回り道をする場合があります。
函嶺洞門脇のバイパスを過ぎると、いよいよ本格的な登りが始まる。道はくねりながら徐々に傾斜がきつくなる
ヘアピンカーブまで、急勾配の登りが続いた。ペースはガクンと落ちる一方、息は一気に上がった
小涌園前を過ぎると、長い直線が現れた。山中で前との差を確認できる貴重なポイントだ
ここから下りに突入。疲れ切った脚で強制的な全力疾走に移ると、体がバラバラになりそうな感覚に襲われた
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