大量の大型ビルを供給してきた。
「東京ミッドタウン八重洲」は三井不動産が進める再開発事業の1つ
コロナ禍を経て大型ビルの顧客獲得競争が激しさを増している。一方、都心の再開発による大量供給はとどまるところを知らない。
『週刊東洋経済』11月25日号の特集は「不動産・オフィス大余剰」。湾岸エリアの泥沼や麻布台ヒルズの苦戦、大阪 vs. 福岡、ESGバブル、ゼネコン事故、神宮外苑開発など、日本の不動産・オフィスの最前線を追った。
日本政府が2001年に都市再生本部を設置し、都市の国際競争力の強化に乗り出してから20年が経過した。
今23年に入って「東京ミッドタウン八重洲」(東京都中央区)が完成し、この先も「麻布台ヒルズ」(東京都港区)、「渋谷サクラステージ」(東京都渋谷区)と大型施設が開業を迎える。
その一方で、国際通貨基金(IMF)が公表した名目GDP(国内総生産)の予測で日本は23年にドイツに抜かれて世界第4位に転落するなど、日本の国際競争力の低下を示す指標が相次ぐ。
都市再生事業によって都市の中心部に超高層ビルやタワーマンションが続々と建設され、大量の床面積が供給されてきたが、はたしてそれらは日本の国際競争力の強化に寄与したのだろうか。
森ビルの政治力は健在
森ビルが東京・虎ノ門地区で進めてきた再開発事業「虎ノ門ヒルズ」で今年10月、4棟目となる超高層ビル「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が開業した。オープニングセレモニーには斉藤鉄夫国土交通相、小池百合子東京都知事のほか、15人以上の国会議員が駆けつけた。
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