(本記事は、船ヶ山 哲の著書『まだ間に合う! 定年までに複数収入をつくる「お金革命」』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)
ビジネスの立ち上げは2ステップで考えろ
ここからは、より具体的なステップに入っていきます。
ビジネスを立ち上げる際に意識しなければいけないことは「段階を踏む」ことです。
言い換えれば、2つのステップで行動することで、ビジネスの立ち上げは加速し、安定させることができます。
・ステップ1:ゼロイチを早い段階で叶える
・ステップ2:立ち上がったイチを拡張する
この2つのステップを踏むことで、ビジネスを確かなものにしてくれます。
しかし多くの人は、このようなステップを考えることなく、いきなりドカンとビジネスを立ち上げることを考えてしまいます。
資金力のある大企業であれば多少コケても痛手は少ないかもしれませんが、我々のような小さな会社だったり、これからビジネスを始める人にとっては、そんな大花火を打ち上げるような戦法は、とても真似することはできません。
では、どうしたらビジネスをギャンブルにすることなく、安全かつ確実に立ち上げることができるのか。それが「2ステップ戦略」です。くわしく見ていきます。
すべてのビジネスはこの2ステップで進め
・ステップ1:ゼロイチを早い段階で叶える
ビジネスでもっとも難しいと言われているのが、ゼロイチです。
要は、1人目のお客様であったり、1円を稼ぐことを意味します。
「1円なんて、バカでも稼げる」と言う人がたまにいますが、この金額を1万円にした場合でも、同じことが言えるでしょうか?
1円や100円ぐらいまでならば情けでくれる人もいるかもしれませんが、1000円を超えると情けでくれるのは家族ぐらいです。友人ですら1000円を何の理由もなしにくれることはありません。
ましてや、その金額が1万円ともなれば、かなり厳しいことは容易に想像できます。
ただビジネスの観点から見たら、1円も1万円も、もっと言うと100万円も同じです。
そこに、お金を交換するだけの「価値」があるかどうかで判断されます。
たとえるなら、棚にいくつかの商品が置かれていて、それぞれの商品が値付けされている状態のようなものです。
1000円のものもあれば5000円のものもあり、1万円のものもある。
これらは機能や品質は多少違えど、10倍の価格差があるからといって、売るのも10倍大変になるかと言えば、そんなことはありません。店員さんの手間は同じです。
「顧客対応をし、必要とあらば商品説明をする」
「お客様が商品を気に入れば、レジで精算する」
これだけです。別に特別なことではありませんし、難しくもありません。
お店の店員さんは凄腕営業マンばかりではなく、むしろバイトが対応しています。それでも商品が売れるのは、そこにお金を払うだけの価値が存在しているからです。
それをあなたも同じように扱い、顧客に届けるだけです。
これで、最初のステップのゼロイチは完成します。
・ステップ2:立ち上がったイチを拡張する
次に、その立ち上がったゼロイチをより確実なものにし、広げていく作業がステップ2になります。
先ほどのゼロイチと違って、やることは「再現」です。ゼロイチを達成したときのことを思い出し、いかに同じことができるかで成否は分かれます。
ゼロイチのときは、何ひとつかたちが決まっていないので、やれることは何でもやるイメージでした。
仮に初受注が取れたとしても、なぜ売れたのか理解できない人がほとんどです。
そのため、ひとつ売ることはできても、その次に続かないという人が出てきてしまうわけです。大切なのは、ゼロイチを無視して新しいことをするのではなく、ゼロイチを詳細に思い出し、徹底して再現することです。
・どのリストに対してアプローチしたのか?(紹介なのか?名刺なのか?)
・紹介だとしたら、誰からだったか?
・会話で最初に切り出した話題は?
・どのような切り口で話を進め、商品につなげたのか?
・お客様が反応していた言葉(キーワード)は?
・お客様が契約前に不安に感じていたことは何か?
このようなことをひとつずつ思い出し、ブロックを積み上げるかのごとく、ゼロイチを再現していくのです。
これが結果、自分の勝ちパターンとなり、セールスマニュアルとなります。
なぜなら、1人に売れたということは、似たような考えの人が、その後ろにはごまんといるからです。
最初は「1」という小さな数字であっても、その後ろに潜む可能性を考えたら、とてつもなく光り輝く数字だということに気づくはずです。
これはダイヤの鉱石を山の中から探すようなものです。ひとつ見つかれば、ほかにも見つかる可能性があります。しかし、その場にひとつもなければ、そのまま掘削作業を続けても可能性はありません。それと同じです。
だから、ゼロイチを達成したということは、そこにはダイヤモンドがほかにも無数にあるという証明でもあるのです。
カッコつけずに、最初はお金にこだわれ
ビジネスが成功する人としない人には、明確な違いがあります。
この違いは、年齢が上がれば上がるほどハマる罠のひとつでもあります。
中高年になると、大概の会社では役職を社員に付与することになるので、人によっては、40歳を超えると課長となり、50歳を超えると部長になります。
もちろん、そのまま定年まで会社に勤務し、引退するということであれば、役職はさまざまな恩恵をもたらしてくれます。ですが、あなたが第二の人生として起業を試みる場合、この役職が大きな足枷になりかねません。
というのも、人間は一度上がったステータスを下げることができず、見栄が邪魔を仕掛けるからです。それが、会社の役職にも起こり得るのです。
イメージしていただくために、例を通しながらお話ししていきます。
ここにある男性がいます。
これまで30年会社に勤務し、同僚とせめぎ合う出世レースの中、「部長」という肩書きを得ることができました。
しかし、55歳を過ぎる頃「役職定年」を会社から言い渡され、嘱託契約に。
給料は当時の3割カット。これでは、いままでの生活を保つことができません。
月末になれば住宅ローンに子どもの学費など、支払いだけが否応なしに押し寄せます。
自分としては一生懸命に会社にも貢献してきたつもりなので、この人事には納得がいかず、会社を辞めて起業を考えることにしました。
これまで多少なりとも営業経験もあったので、起業も難なくクリアできると思っていたわけですが、これまで「部長」という肩書きにあぐらをかいていた彼には、ゼロからスタートすることの意味があまりわかっていませんでした。
なぜなら、いままでの会社では立場上、すべての仕事を部下に任せていたので、最後の挨拶で自分が出向けば、商談は成立していたからです。
営業など楽勝だと思っていました。しかし、現実はあまくはありません。
実際に肩書きと部下をなくした彼が営業に行けば、舌打ちとともに塩は撒かれるし、罵倒されることもしばしば。これでは、サラリーマンを続けたほうがよかったのでは、と疑問に感じるほどでした......。
多少の覚悟は、やはり必要
これは私が考えたフィクションですが、じつはよくある話です。だから多くの人は、自分のビジネスを立ち上げるのが難しいと感じ、チャレンジすることから背を向けてしまうのです。
あなたもチャレンジしようとするならば、多少なりとも覚悟する必要はあります。
起業するということは、これまでの役職は効力を失い、丸裸になることを意味します。
当然、最初の数か月は地べたを這うような経験も必要ですし、このまま本当にやっていけるのか?という恐怖にも襲われます。
そんな中、最初の顧客を受注に変え、人生をV字回復させなければいけないのです。
いままでのようにカッコつけたい気持ちはわかりますが、最初のうちはぐっと我慢し、ゼロイチ、つまりファーストキャッシュを得ることに集中する必要があります。
でなければ、あなたの起業というチャレンジは夢に終わります。
きれいごとなど不要です。ダサいと思われても、カッコ悪くとも、受注を勝ち取った人がビジネスの世界では「正義」です。
だから、あなたが人生を本気で変えたいと望むのであれば、最初の数か月は、こらえる時期です。そこさえ乗り越えることができれば、サラリーマンのときとは比べものにならない収入が、あなたの生活を支え、家族を守ってくれます。
・念願だった海外生活を家族で叶え
・日本では考えることのできない大きな家に住み
・子どもたちは海外の学校で世界最先端の教育を受け
・海外旅行に行けば、5つ星ホテルのスイートに連泊し
・たまの休みは世界の人たちと触れ合い、お互いの文化を語り合う
こういった生活を手にすることができるのです。
ちなみに、ここに書いたことは、すべて私が叶えた生活そのものですが、もちろん私自身も最初の数か月は先の見えない生活を送っていました。
しかし、そこであきらめることなくファーストキャッシュにこだわることができたからこそ、いまの自分がいるのです。
Point |
何がなんでも、ファーストキャッシュに集中せよ |
船ヶ山 哲(ふながやま・てつ)
人脈なし、コネなし、実績なしの状態から、起業後わずか5年で1000社以上のクライアントを獲得。カナダのバーナビーに在住。テレビ番組のメインキャストを務めるほか、ラジオ番組でのパーソナリティーとしても活躍中の起業家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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