“コンビニレストラン”――石川県には、そう呼ばれるローカルチェーン店があります。その名は「すしべん」。
正式名称は「Yahata(やはた) すしべん」。幹線道路を走っているとよく目にするその看板には、金太郎のような子どものキャラクターが描かれていることもあります。
店内に入ると、おでんなど総菜や食料品を売っている、コンビニや小さなスーパーのような空間が出現します。しかし、店の中ほどにあるレジの向こうには、テーブルとカウンターが。こちらは飲食店のような雰囲気です。メニュー表もあり、グランドメニューはうどんやそば、ラーメン、丼ものがメイン。庶民的な食事処、といったラインアップです。
石川県独自のチェーン「すしべん」とは? 食品を売る店なのか、飲食店なのか。、グランドメニューに寿司や弁当がないのに、なぜ「すしべん」なのか――。
能登半島の根元部分、羽咋市にある「Yahata すしべん 千里浜インター店」(石川県羽咋市)で、八幡グループ すしべん第2営業部長の中村浩二さんに聞いてみました。
なぜ「すしべん」? ジャンル分け不能なお店の魅力
「最初はお持ち帰りの寿司と弁当を売っとったもんで、そこから名前がついたんです。今はうどんとかそばとかがよく出る(売れる)もんで、そちらがメインぽくなってますけども」。中村さんは「すしべん」の名前の由来についてこう語ります。
定食屋のように見える「すしべん」ですが、1966年にJR羽咋駅の近くで持ち帰り用の寿司を販売する「八幡寿司」として創業。「八幡」の名前はお店の前に八幡神社があったことが由来です。
お店の歴史
テーブルやカウンターなどがある空間は、お店としては、あくまでイートインコーナーという位置づけ。
1975年に「すしべん」の1号店「Yahata すしべん 一の宮店」(石川県羽咋市寺家町)がオープンし、寿司・弁当とともに、うどんやそばの提供が始まりました。
なんてジャンルのお店なの?
「コンビニレストラン」とも呼ばれる「すしべん」ですが、公式サイトにはそのような文言はなく、「普段着のまま気軽に立ち寄っていただけるお店です」と紹介されるのみ。お店としては、一体どのようなジャンルだと位置づけているのでしょう。
「コンビニと飲食店が合体したような、利便性の高いお店を目指しています」と中村さん。とはいえ、食品以外のさまざまな商品が売られているコンビニに対して、「すしべん」で売られているのはほぼ食品のようです。
「昔は日用品もちょっとだけ売ってたんですけど、飲食店の傾向が強くなって、売れなくなっていったんです。自然と食品だけに特化していった感じですね」(中村さん)
現在では「食べ処の総合的なところ」として、気軽に食べ物や飲料が買えるお店づくりを行っているとのことです。
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