【西論プラス】積み上がる死、コロナと自殺の共通性 大阪編集長・徳永潔 - 産経ニュース

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コロナによる国内の死者は実感のないまま、１万８千人を超えた

衆院選は終盤戦に差し掛かり、主要争点の新型コロナウイルス対策をめぐって激しい論戦が交わされてはいる。１日の国内の感染者数は１００人台にまで激減し、当面の危機を乗り越えた今こそ、感染第６波に備える医療体制の再構築を急ぐことは言うまでもない。

だが、それにもまして見過ごせないことがある。今月も５００人余りの命が失われ、災害レベルの死者が積み上がっている現実である。論戦で真正面から取り上げられることはなく、もとより私たちもその規模を実感できずにいる。「死が遠い」というコロナ禍の断面を、今一度立ち止まって考える必要がある。

他の災害とは異質の罪深さ

感染第５波ただ中の報道だった。「国内の死者は１万７千人を超え、東日本大震災の死者に近づきつつある。コロナの犠牲者を社会全体として弔う時期に差し掛かっているのではないか」。識者が語る短い言葉に、われに返った。

最初の緊急事態宣言から１年半。私たちは、おびただしい数の犠牲者の実感を抱けないまま、今日に至っている。その数、約１万８２００人。気づけば１万８千人を超えている。

感染第５波のさなか、懸命に重症患者のケアに当たる医療スタッフ。医療現場は生と死が交錯した＝８月２７日、京都府宇治市の宇治徳洲会病院（渡辺恭晃撮影）

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