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Sunday, November 28, 2021

河北春秋(11/29):大量の軽石に悲鳴が上がる。小笠原諸島の海… - 河北新報オンライン

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 大量の軽石に悲鳴が上がる。小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」で8月に起きた噴火は、明治以降では国内最大級。生じた軽石は約1300キロ離れた沖縄など南西諸島にも漂着した▼しかし、火山がもたらすのは災いだけではない。千数百万年前の海底火山活動でできたのが、日本を代表する鉱石「黒鉱」。黒物と呼ばれ、やっかいもの扱いされたが、1902(明治35)年に製錬技術が開発されると一躍注目の的に。昭和30年代に秋田県北部などで鉱床が見つかり、黒鉱ブームが生じた▼名称が文献に初登場するのは、08年の『黒鉱鉱床調査報文』。農商務技師の平林武は「黒鉱という名前もあまり適当ではないだろうが、他によい呼び方もないので、しばらく仮にこう名づけておく」(現代語訳)と記した。今や「kuroko」で世界に通じる▼東北大理学部自然史標本館(仙台市青葉区)に、大館市の深沢鉱山で産出された重さ約26キロの黒鉱が展示されている。計算上は銅0・6キロ、鉛3・6キロ、亜鉛6・8キロ、鉄0・9キロ。微量の金銀も含む▼鉱物が複雑に混じる黒鉱を精錬する技術は、鉱山閉山後も金属リサイクルなどに生きている。一方で、海を漂う軽石は影響の長期化が懸念されるやっかいな存在。これも世界有数の火山国の現実だ。(2021・11・29)

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