夕食後、「後で歯を磨こう」と思いつつ、ソファなどでうたた寝してしまい、深夜になって目が覚めた経験はないでしょうか。ネット上では「寝ている間に口の中の細菌が繁殖しやすい」といった情報もあり、歯を磨かずに一時的に寝てしまったことで、虫歯のリスクを心配する人もいると思います。 そもそも、一時的であっても、歯を磨かずに寝た場合、虫歯のリスクは上がるのでしょうか。また、歯を磨いた後に無糖のお茶やコーヒーを飲んだ場合、磨き直した方がよいのでしょうか。歯科医師の中村貢治さんに聞きました。
基本は食後30分がタイミング
Q.夕食後、歯を磨かずにうたた寝をしてしまい、深夜に目が覚めるケースがあります。たとえ一時的でも、歯を磨かずに寝てしまった場合、虫歯のリスクは高まるのでしょうか。それとも、起きた後に歯をきちんと磨けば、問題ないのでしょうか。 中村さん「歯を磨かずに寝てしまうのはよくあることですが、寝た場合、口の中の唾液の分泌量が減少するため、虫歯になりやすくなります。特に、歯を磨かないことで、歯の周囲に虫歯菌の餌となる砂糖や食べかすが残っている場合など、虫歯ができる要因があれば、虫歯のリスクは格段に跳ね上がります。ただし、起きたときにきちんと磨くことで、そのリスクは減少するので、うたた寝をした後はそのままにせず、できる限り早く、歯を磨くことをおすすめします」 Q.夜、歯を磨くのに最適なタイミングについて、教えてください。 中村さん「基本的に、歯を磨くタイミングは食後30分程度がよいとされています。しかし、食後1時間以上経過している場合でも、寝る前にしっかりと歯磨きをすれば、大きな差はないでしょう。むしろ、歯を磨かないで寝てしまうなど、歯磨きのタイミングを失ってしまう方が虫歯のリスクが高くなります」 Q.歯磨き後、無糖のお茶やコーヒーを飲んだ場合、磨き直さないといけないのでしょうか。それとも、砂糖が入っていなければ、磨く必要はないのでしょうか。また、牛乳の場合はいかがでしょうか。 中村さん「先述のように、砂糖や食べかすなどのような、虫歯菌の餌になるような物が歯の周囲にあると虫歯のリスクは高まります。無糖の飲み物は虫歯のリスクを高めることはありませんが、例えば、コーヒーや紅茶、日本茶の成分が口の中に長くとどまると、歯に色が付きやすく、歯の色がくすむ原因となります。 また、牛乳は『乳糖』と言われる糖分が含まれているほか、豆乳にも糖分が含まれています。さらにビールやワインのほか、栄養ドリンク、スポーツ飲料にも同じく、糖を生成する物質が含まれていることが多いです。そのため、歯磨き後に水以外の飲み物を飲んだ場合は磨き直すことが理想だと思います」 Q.ビールやワインには糖を生成する物質が含まれているケースが多いとのことですが、では、夜遅くまで酒を飲み続けた場合、虫歯のリスクは高まるのでしょうか。 中村さん「夜遅くまで酒を飲んでいても、寝る前にきちんと歯を磨くことで、虫歯のリスクを減らすことは可能です。しかし、酒に酔った状態で帰宅した場合、つい、歯を磨かずに寝てしまいがちなので、そうすると虫歯になるリスクは高まります。酒に酔った状態であっても、寝る前に歯を磨くべきだと思います」 Q.歯を磨かずに一晩寝てしまった場合の対処法について、教えてください。翌朝の歯磨きは普段よりも念入りにすべきでしょうか。 中村さん「先述のように、基本的に、寝ている間に虫歯のリスクは高くなります。しかし、歯磨きができなかったことで直ちに虫歯になるわけではありません。虫歯のリスクが高まるのは確かですが、翌日、いつも通り、しっかりと歯を磨くことで、多少は虫歯のリスクを減らすことができます。 ただし、翌日の朝に念入りに磨くことも大事ですが、それで虫歯のリスクが帳消しになるわけではありません。歯を磨けなかったことを反省し、その後はできる限り、そういったことにならないよう努めることが大事です」
オトナンサー編集部
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