大手電力会社10社のことし3月分の電気料金は比較できる過去5年間で最も高い水準となります。なぜ、こんなに値上がりしているのでしょうか。エネルギーを担当する西園興起記者、教えて!
西園記者
このところ、すごい勢いで電気料金が上がっています。
例えば、利用者が多い東京電力で見ると、使用量が平均的な家庭での電気料金は、去年の3月が6408円。
しかし、ことし3月は8244円。
1年間で実に1836円上がっていることになります。
さらに、関西電力と中国電力、北陸電力では電気料金が値上がりしすぎて、一部の契約では制度上、値上げできる「基準価格より5割高い」という上限を突破してしまい、会社が超過分を負担する事態になってしまったんです。
西園記者
簡単に説明します。
日本は火力発電への依存度が高い国です。
この火力発電に使う燃料価格は常に変動しています。
価格が急激に上がってそれがすぐ電気料金に反映してしまうと利用者にも電力会社の経営にもダメージを与えてしまいます。
そこで、燃料価格の変化をならして電気料金にも反映させようと導入されたのが「燃料費調整制度」です。
過去3か月間の天然ガスや石炭、石油の価格の平均を算定して、2か月後の電気料金に反映させる仕組みになっています。
西園記者
そうです。
去年の春、新型コロナウイルスの影響で世界各地で経済活動が実質的に止まり、原油価格も大幅に下落しましたが、その後、経済活動の再開に伴い、価格の上昇が続いています。
さらに、最近は中東で石油施設の爆発や火災などが相次いだことやウクライナを巡るロシアと欧米との緊張状態が続いていることから供給への懸念が強まっています。
ニューヨーク原油市場では、1月19日に原油価格の国際的な指標となるWTIの先物価格が、一時、1バレル=87ドル台後半まで上昇し、およそ7年3か月ぶりの高値をつけていて、今後の価格上昇にも警戒が必要です。
西園記者
そのとおりで、最近の高騰はこの影響が大きいです。
ロシアがウクライナ国境周辺に軍の部隊を展開して欧米との軍事的な緊張が続いています。
また、ロシアが、ヨーロッパ側に圧力をかけるために、既存のパイプラインでのガス供給量を絞り込んでいるのではという思惑が広がり、ヨーロッパの天然ガスのスポット価格が急騰しました。
この影響が伝ぱし、アジアの市場でも価格が急上昇しています。
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