7月23日、岩手県金ケ崎町西根のため池で草刈りをしていた男性2人が池に転落し死亡しました。
ため池での事故について専門家は「滑り落ちるとぬれた斜面を上がるのは非常に困難」と指摘しています。
そのうえで、「万が一、転落した場合は仰向けに浮いて救助を待ってほしい」と呼びかけます。
水難学会 斎藤秀俊会長
「特に農業用のため池はすり鉢状になっている。一度水の中に足を入れたり斜面が滑りやすかったりすると、ため池に滑り落ちるように落下してしまう」
水難事故の対策を研究する水難学会の斎藤秀俊会長は、草やコンクリートなどの種類に関わらず、ぬれた斜面を上がるのは困難と話します。
水難学会 斎藤秀俊会長
「角度が緩ければ、はい上がれる。ところが分度器の角度で25度を超えると、それよりも角度が急になると滑って水の中から上がれなくなる。長靴、普通の靴、サンダル、靴の種類を選ばず、ぬれた斜面だと簡単に滑って落ちてしまう」
照井沙也加記者
「男性が立っていたとみられる法面は急なうえ、藻が張っていて滑りやすように見えます」
実際に今回の事故の現場でも斜面の傾斜は29度ありました。
斎藤会長は作業する際はなるべく複数人で作業することや、ロープやネットなど転落時につかめるものを準備しておいてほしいと述べます。
水難学会 斎藤秀俊会長
「大人数で作業をするなら2人1組で必ずそばにロープを置いておく。浮いていたり足を踏ん張って立てていたりしたときに渡せるくらいの長さのロープを準備しておく。もしどうしても一人で作業をしなければならないときは、携帯電話は常にポケットの中に入れておく。転落してから自分で上がるためのネット・樹脂状の網を斜面に垂らしておく」
そのうえで、万が一転落した場合には呼吸を確保するため、浮いたまま救助を待ってほしいと話します。
水難学会 斎藤秀俊会長
「すぐに深いところに持って行かれるので、落ちたら『背浮き』の体勢になってほしい。背中を下にして水面の上に浮いてベッドの上に仰向けに寝る感じ。泳いでもはい上がれる場所はないので浮いて救助を待つのが得策」
そして、注意力が下がると事故につながりやすいとして、こう呼びかけています。
水難学会 斎藤秀俊会長
「暑くて仕方ないというときは注意力が散漫になる。日中の気温が上がる時間は避け、朝夕など涼しい時間に草刈り作業を行うような注意が必要」
※一部映像は一般社団法人水難学会のYouTubeより
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