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Sunday, May 3, 2020

河北春秋|5月4日 - 河北新報

河北春秋

 寺山修司には、5月がふさわしい。そう書くと、違和感を抱く人がいるかもしれない。故郷青森の土俗的なイメージが色濃い半自伝的映画『田園に死す』や、演劇実験室「天井桟敷」で手掛けた前衛演劇から受ける印象は、5月の爽やかなイメージとは程遠いからだ▼一方で、5月とは不思議な縁があった。22歳の時に出した最初の作品集は『われに五月を』。病に倒れ、47歳の若さで亡くなったのは、37年前の5月4日だった▼寺山は早稲田大2年の時、腎臓の病であるネフローゼ症候群を発病し、闘病生活を余儀なくされた。毎日のように病院に見舞ったのが、大学の同級生だった脚本家の山田太一さんだった▼2人は頻繁に手紙も書いた。往復書簡の一部は、山田さんが編者を務めた『寺山修司からの手紙』に収められている。読んだ本のことを中心に、映画、生と死、そして恋愛。同じ女性を好きになったこともあった。10代後半から20代前半にかけての言葉のキャッチボールが、私信ゆえの飾らない言葉でつづられている▼真の友情と言ってしまえばそれまでだが、「みずみずしいころの、飾りのない日々」と山田さんが振り返る2人のやりとりは、若さ故のきらめきにあふれ、初夏の青空を想起させる。やはり、寺山には5月がふさわしい。(2020.5.4) 

2020年05月04日月曜日


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