東日本大震災後に避難行動の啓発のために始まった、岩手県釜石市の「韋駄天(いだてん)競走」が6日、形を変えて行われた。これまでは参加者が一斉にスタートして、仙寿院前の坂を駆け上がっていたが、新型コロナウイルス感染対策のため、思い思いに走ったり歩いたりして高台をめざした。
競争は約50人が参加して行われる予定だったが、県独自の緊急事態宣言を受けて中止になった。それでも会場に足を運んだ人たちがいたため、形を変えて開かれることが決まり、46人が全長約280メートル、高低差26メートルの坂をそれぞれのペースで上った。
陸前高田市から参加した教員の金野円香さん(34)は小学4、5年の子ども2人と参加した。「職場が釜石市なので、子どもだけで家にいたとしても、逃げる習慣を持ってもらいたかった」と息を弾ませていた。
参加者は、人が走る形に切り抜いた紙に「コロナ退散」などと書いてボードに貼った。運営責任者の下村達志さん(46)は「中止も考えたが、避難する気持ちを忘れないために最低限のことをやることにした。来年は競走を復活させたい」と話していた。(東野真和)
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