日本銀行の若田部昌澄副総裁は1日、現状は低インフレと一部価格の上昇が同時に起きているとし、低インフレについては引き続き「金融緩和の粘り強い継続によって着実に経済の好循環を支え、賃金が上がっていく環境を維持することが必要になる」と述べた。岡山県金融経済懇談会で講演した。
経済の下振れリスクが顕在化すれば、「ちゅうちょなく必要な追加的措置を講じることも排除すべきではない」とも語った。
足元の物価上昇の主因となっているエネルギーや食品などの一部価格の上昇は、主として海外からのコストプッシュの要因で起きていると説明した。総需要管理である金融政策で対応するのではなく、「財政政策、石油、天然ガスへの依存を減らすエネルギー政策などが考えられる」と語った。
消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の前年比上昇率は、4月に2.1%と伸びが加速し、日銀が物価安定目標とする2%に到達した。
若田部氏は「半年から1年程度しか続かないのであれば、2%の物価安定の目標が持続的・安定的に達成されたとは言えない」と述べた。
持続的・安定的な物価上昇には「賃金とインフレ予想が上昇する必要がある」と指摘。その上で、近年の日本では「物価から賃金への関係は残っているが、賃金から物価への関係はほぼ消失している」との分析を示した。
他の発言
- 賃上げ実現には経済が持続的に成長していく必要
- 今次局面では負の所得ショックに対する抵抗力示す可能性
- 日本は低成長・低金利・低インフレが続く懸念の方が大きい
- 感染症や供給制約長期化なら待機資金が予備的貯蓄に変質する可能性
- 中長期のインフレ予想の上昇は緩やか、まだ2%に達せず
- 物価目標の安定的な実現には一般物価が上昇する必要
- 石油ショック時の大インフレの主たる原因は金融緩和の行き過ぎ
(発言の詳細を追加して更新しました)
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