牛の「ゲップ」は地球温暖化につながるようです(写真: HAPPY SMILE /PIXTA)
地球温暖化が進む今、二酸化炭素を炭酸水の材料にするコカ・コーラHBC、「成層圏エアロゾル注入法」に注力するビル・ゲイツ、地球温暖化にもつながる「牛のゲップ」に税を課そうと試みるニュージーランドなど、企業や国がさまざまな取り組みに力を入れています。NHK WORLD-JAPAN気象アンカーであり、『お天気ハンター、異常気象を追う』を上梓した森さやかさんが、これらの取り組みについて解説します。
ここ数年、いまだかつてないペースで地球温暖化が進み、異常気象が頻発している。
熱にうなされる地球に、特効薬を打とうという話がある。近未来的な科学テクノロジーを駆使して気候を操作し、地球を冷ます作戦である。こうした研究分野を、「ジオエンジニアリング(気候工学)」という。「鳴かぬなら/鳴かせてみよう/ホトトギス」で知られた戦国武将がいたが、気候工学は「やまぬなら/とめて見せよう/温暖化」といったところだろうか。課題は多いが、温暖化対策の奥の手として、欧米を中心に熱い視線が注がれている。
二酸化炭素を炭酸水の材料に
具体的にはどのような方法があるのだろう。
まず、大気から二酸化炭素を取り除く方法がある。特別な機械を作って、直接空気から二酸化炭素を回収する方法のほか、海に鉄分のサプリを撒いて植物プランクトンを繁殖させ、光合成の促進を狙うという間接的なやり方もある。
では、回収した二酸化炭素はどうするのか。
海底に埋めるという方法もあるが、そこに商機を見いだす企業もある。まずスイスのコカ・コーラHBC社は世界で初めて、大気中から集めた二酸化炭素を炭酸水の材料にして活用している。
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