2023年はどんな仕事の年収が上がるのか?――。円安・物価高騰など経済環境が激しく変わる中、なかなか予測は難しい。パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」が昨年末まとめた「平均年収ランキング2022」のデータを紐解きながら、年収が上昇しそうな人気職種についてデューダ編集長の大浦征也さんに聞いた。
1位は投資関連の運用、2位プロマネ、3位BPR
――米国では景気後退が進みそうです。IT大手は22年後半から人員削減を始め、インフレで経済悪化の懸念が高まっている。日本の雇用市場はどうなるでしょうか。
それほどネガティブには見ていません。確かに外資系の金融機関は厳しそうですが、コンサルタントはあまり雇用意欲が衰えていない。IT系のコンサルやエンジニアのニーズはやはり高いとみています。年収でスタートアップが上場企業を上回ってきたことなどの構造変化もあり、その点でも転職ニーズが高まると思います。
――デューダのまとめた全職種の平均年収で見ると、22年は403万円。過去5年間の平均年収は414万円なので落ち込んでいますね。
これはコロナの影響があるからです。しかし、デジタル系や専門的なスキルを必要とする職種の平均年収は着実に伸びています。
――デューダの22年の平均年収ランキングをベースに前年比で上昇した職種ランキングで見ると、1位になったのは運用(ファンドマネジャー/ディーラー)。世界的な株安で金融は厳しくなったというイメージでしたが、意外ですね。
確かに21年にトップだった投資銀行業務の平均年収は903万円から22年は850万円と下がりました。これは株安が主因だと思います。しかし、日本では政府が貯蓄から投資へと呼びかけ、制度改革に取り組んでいます。投資関連の職種ニーズもなお高いと考えています。
――平均年収の上昇した職種ランキングでは2位がプロジェクトマネジャーですが、具体的にどんな仕事をするのですか。
基本的にはITシステム構築のリーダー、まとめ役です。以前は2~3年間かけて企業の基幹システムなど構築するというケースが多かったのですが、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代を迎え、アジャイル方式でどんどん新しいサービスをつくろうというモードになり、プロジェクトマネジャーの需要も膨らんでいます。
――3位には業務改革コンサルタント(BPR)が入っています。相変わらずコンサルは強いですね。
専門性の高いコンサルが人気です。特にBPRは、コロナ禍でオンライン対応をしようなど業務プロセスの変革が進み、ニーズが高まりました。生産性向上にも欠かせないので、今後も需要は上昇するでしょう。
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