朝スッキリと目が覚めない。目が覚めても疲労感が残っている。眠ろうとしてもなかなか寝付けない。夜中にトイレで目が覚めてしまう――。睡眠に関する悩みを持つ人は多いが、睡眠の科学研究が進めば、こうした悩みも解決する日が来るかもしれない。今回は、自律神経の働きに詳しい東京疲労・睡眠クリニック(東京都港区)院長の梶本修身氏に、「自律神経を休めて疲れが取れる眠り方」を解説していただこう。
>前回: 疲れているのに目がさえて眠れない… 自律神経で起きていること
朝の室温が低いと血圧が上がり、自律神経も休まらない(写真:PIXTA)
最高の疲労回復法は「眠る」こと
長い階段を上って感じる疲れと、長い会議で感じる疲れ。「疲労」には肉体的なものと精神的なものがあるように思われるが、東京疲労・睡眠クリニック(東京都港区)院長の梶本修身氏によれば、どちらの疲労も基本的には変わらない。
「すべての疲労は自律神経の消耗と疲弊によって生じます」と梶本氏は言う。
自律神経とは、脳に酸素と栄養を安定供給するために、全身の臓器や筋肉に指令を出して制御する神経システムのこと。自律神経が呼吸、消化吸収、心拍、体温などをコントロールすることで、体は常に機能的に保たれ、脳へ酸素や栄養を安定供給できているのだ。
自律神経には2種類ある
(図:PIXTA)
例えば、運動で感じる疲れは、単純な運動の量だけでは決まらないことをご存じだろう。同じ5kmのジョギングでも、涼しい秋と真夏の炎天下では疲れ方が違ってくる。気温が高いときは、脳の温度、すなわち深部体温を安定させるため、発汗を促し、さらに身体での酸素消費が増えても脳への酸素供給を怠らないよう血圧や心拍の調整が必要になり、それだけ自律神経の負担が増えてしまう。
運動のほか、仕事での緊張や、高温多湿など不快な環境への適応などで自律神経が酷使されると、大量の活性酸素が発生する。それによって神経細胞が酸化され、自律神経の機能が落ちる。その結果、我々は疲労を感じるようになるという。
したがって、仕事の疲れは運動では解消できない。運動の達成感で疲れが取れたような気がするだけなのだ。仕事で疲れているとき無理に運動すると、ますます自律神経が疲れてしまう。
では、疲労はどうすれば解消できるのか。要は自律神経の酷使をやめて、休めてやることだろう。梶本氏は「疲労回復に最も有効なのは睡眠です」と明言する。
しっかり眠ることで傷ついた自律神経の細胞が修復され、本当の意味で疲れが取れるようになるという。
自律神経には体が活動するときに優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経がある。眠るためには、もちろん副交感神経を優位にしなければならない。心配事があったり、部屋が冷えていたりすると眠れないのは、交感神経の緊張が取れないためだ。
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