【解説】子どもへのワクチン接種開始を前に上がる不安の声 求められるデータの検証体制
■「接種に不安」約9割 求められる体制とは
良原安美キャスター:
厚生労働省のHPによりますと、2回目接種後7日以降の発症予防効果については、オミクロン株出現する前のデータですが、90.7%です。現時点で得られている情報からは、安全性に重大な懸念は認められないと判断されています。
心配に感じられている方もいらっしゃるかと思います、副反応についてです。
【ワクチン接種後の副反応】
・接種部位の痛み、倦怠感:50%以上
・頭痛、接種部位の赤み、筋肉痛、寒気など:10~50%
・下痢、発熱、関節痛、嘔吐:1~10%
やはり、お子さんの接種いうことで、保護者からも心配の声が聞かれています。東京・江東区が行ったアンケートです。
【子どものワクチン接種に関して】
Q:接種に不安はありますか?
・大いに不安がある→39.6%
・少し不安がある→49.7%
・不安はない→10.7%
実際に街の声を聞きました。保護者からは「重症化しないなら打たなくてもいいじゃないかな」「大人でも副反応が強く出たので、(子どもの)小さい体で耐えられるのかな」といった声が上がっています。
一方で、10歳のお子さんからは「接種した方が安心」との声が聞かれました。
ホラン千秋キャスター:
子どもにワクチン接種することについて、海外で安全性のデータが出ているという情報もありますが、そういったデータがありながらも、日本ではお子さんの接種に不安の声が多いのは、なぜなのでしょうか?
インターパーク倉持呼吸器内科院長 倉持仁医師:
やはり、未知のものに対する不安と、実際に打つ環境が整っていないというのがあると思います。
ホランキャスター:
実際にお子さんに接種をすすめるうえで、最大の利点はどういう部分になりますか?
倉持医師:
利点の前に、3つ必要なことがあると思います。1つ目は、ただ単に3月から打ってくださいというのではなく、今までのワクチンの効果や副反応のデータの公開と、丁寧な説明が国は必要だと思います。実際に海外のデータで小児のワクチン接種の効果が出ているんですが。
2つめは、実際に副反応が出たときに、どうすればいいのかということ。副反応が出ても受診できる環境が今、整っていませんから。医療機関側も適した環境を作っていく必要があるということ。
3つ目は、変異株の出現よって、ワクチンの効果が変わってくるということが分かってきました。常にワクチンの効果を次の株に備えて、どういった効果が見込まれるのかという検証体制が必要です。特に今後、BA.2という新たなオミクロン株(ステルスオミクロン)が流行ってくる可能性がある状況ですから、子どもたちだけを急いで打つのではなく、高齢者を優先して打つというような、トータルバランスの良いワクチン接種の戦略が必要になってくると思います。
井上貴博キャスター:
現状として、子どもたちは重症化リスクが極めて低いなかで、大人がまず打って、集団免疫を目指せばいいんじゃないかという意見もあります。子どもたちもワクチン接種にあたり、基礎疾患の有無なども考慮すべきでしょうか?
倉持医師:
ワクチンの効果というのは、感染予防効果か、重症を防ぐ効果というものがあります。全体で打つと集団予防効果がある形になるケースと、重症化とその方だけ防ぐとか、その方が発症しないようにするケースとがあります。特にコロナの場合は、それが株によっても変わってきてしまいます。私も子どもが2人いますが、子どもたちには、嫌がらなければ接種をすすめようと思います。
きちんと説明をして、何か副反応が出た時には、ちゃんと見てあげられるような環境で打つと。そうすれば、社会全体でもコロナから守れる強い社会が作れると思います。
一方、打ちたくないという方々にも、当然無理やりやるものでもないです。我々も今、東京大学医科学研究所のグループと一緒に、疑似ウイルスを使って、オミクロン株に対するワクチン効果を「Nature」という雑誌に出しているのですが、きちんとした検証体制というのを前向きに作っていく。また、そこに予算が出ていないとい問題もありますから、ぜひみんなが安心して打てるように、きちんとしたデータを日本で作っていく体制も必要だと思います。
■3回目接種の副反応 不安を感じないためには
良原キャスター:
ここからは、ワクチンの3回目接種についてです。人によって様々な副反応があるということで、実際の例を見ていきます。
50代の男性です。この方は1回目と2回目はモデルナ製のワクチンで、3回目もモデルナ製のワクチンを接種しました。副反応は1回目はなく、2回目は接種1日半後に38℃の発熱がありました。
3回目は接種10時間後に38℃の発熱に加えて、熱が下がると初めて感じる症状があったということです。
ぽっこりと左の首にしこりができていたそうです。心配になって検索したところ、副反応に「リンパ節の腫れ」があり安心したというふうにおっしゃっています。
井上キャスター:
やはり多くのデータに触れるということが必要でしょうか?
倉持医師:
丁寧に、自分たちでデータを集めて、きちんと患者さんに説明をして、安心していただきながら経過を見ることが出来る環境が必要だと思います。
井上キャスター:
政府や自治体というところが情報を発信し、個人で変わるリスクを判断していくというところは変わりませんか。
倉持医師:
そのように思います。ですので、安心して打てる環境づくりを目指していただきたいと思います。
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